February 2017

2017年
2月12日
(日)
【健さん FOREVER】
北九州市立美術館分館で開催中の
「KEN TAKAKURA 追悼特別展」

 また寒い週末でした。 福岡でも少しばかり積雪がありましたが、海岸部では大きな影響はなかったようです。  平年を大きく上回る積雪を記録した地域もあるようです。 被害がないことw祈るばかりです。 お見舞い申し上げます。

 福岡が生んだ大スター・高倉健 (1931-2014)。 地元では「健さん」と呼ばれて親しまれています。 この度、健さんの3回忌の年に合わせて、北九州市立美術館分館で開催されている「KEN TAKAKURA 追悼特別展」を見に行ってきました。

 昨年、東京駅のステーションギャラリーで開催されたことは知っていたのですが、故郷での開催も計画されていたので、今回観たものです。

 会場では、健さんが出演した全205作品の映画のワンシーンが、年代ごとのディスプレーで繰り返し流されており、若かりしころの健さんの勇ましい姿を見ることができます。  また、いくつかの作品のポスターや台本なども展示されており、藤純子、中原ひとみ、美空ひばりなどの共演女優、丹波哲郎、梅宮辰夫、鶴田浩二などの共演男優の懐かしい名前と映像を久し振りに眼にしました。

 健さんの遺作となった「あなたへ」の台本も展示してあり、大滝秀治のセリフ「久しぶりにきれいな海ば見た」のところには、健さん直筆で感動した旨のコメントが書かれていました。 いやぁ、あのシーンは本当によかった。  大滝秀治も結局この作品が遺作となりましたが、2大スターの最後のセリフは心打たれるものです。

 健さんの出演作をあらためて見て、健さんの素晴らしい人間性を実感した良い展示でした。(1)


2017年
2月25日
(土)
【(珍しく)最近の読書】
 早いもので2月も後半。 福岡周辺では、梅の花は今が見頃のようです。

 このページでは、あまり本の話題は出てこないのですが、久し振りに本の話題です。 恐らく 2013年10月 以来ではないでしょうか?

書 名五 色 の 虹
満州建国大学卒業生たちの戦後
著 者三 浦 英 之
発行日2015年12月20日 第1刷
発行所株式会社 集 英 社
ISBN
コード
ISBN978-4-08-781597-9
 本書を最初に知ったのは昨年5月でした。 前回同様、J-Wave で毎週放送されている Book Bar という番組で紹介されたものです。  年末の番組でも、パーソナリティの一人の大倉眞一郎さんが「今年のマイベスト」として取り上げたので、スグに入手しました。

 「本当に、こんな世界が存在したの?」という内容。 1938(昭和13)年に、当時の満州国の新京市(今の長春市)に創設された満州建国大学の卒業生のインタビューを中心に、当時の様子と、卒業生のその後を記したノンフィクションです。

 満州建国大学は「民族協和」を建学の精神とし、日本人・朝鮮人・中国人・モンゴル人・白系ロシア人の5つの民族の優秀な学生を集め、全寮制として全て公費で賄って教育した機関。  1945(昭和20)年の終戦により、その姿を消しましたが、戦時中のあの当時、このような機関が公然と存在していたことには驚きました。

 著者は朝日新聞社の記者。 本書の「あとがき」によると、元はと言えば、2010年秋に夕刊総合面で満州建国大学の出身者について4回にわたって掲載した連載記事に伴って取材したことがきっかけだったとのこと。  その後諸般の事情により、本書の完成に4年の月日を要したとのことで、作品として世に送り出すまでのご苦労の一端も書かれています。

 歴史の表には出てこない「あんな世界」の1つがあったことを、少し垣間見ることができる秀作です。 興味ある方は一度手にとってみてください。(2)