Europe Report 2.6

エンマーリッヒでのスティ


地平線に沈む夕日(上) 夕暮れのシルエット(下)

 Emmerich の駅では,約束どおり Oliver が待っていてくれました。 彼のお姉さんが運転する車で,Oliver の家へ向かいます。 ちょうど, 日が沈む時刻。 途中で渡るライン川の橋の上で車を止めて貰い,日本では殆ど観ることができない「地平線へ沈む」太陽をパチリ! この日は天候もよく, 空には雲一つ無かったので,沈む夕日はとても綺麗で景色も雄大です。

 Oliver の家は Emmerich の駅から車で20分ほど,ライン川から数kmの Kalkar にあります。 周りは山一つ,丘一つ無く,一面ノッペラな平野です。 雪解けの時期には,ライン川上流のスイスやドイツ南部の融雪により,辺り一面「洪水」になるとのこと。 なるほど,平地の中でも家が建っているところは, 「盛り土」のようにどこも少し高くなっていました。

 陽は沈んでも暫くは明るさが残り,空は幻想的なシルエットを醸し出します。 天気が良かったこの日は,遠くの飛行機の航跡も綺麗に見えました。

エンマーリッヒで泊めてくれた Oliver(右)と
彼の友人 Jochen(左)

 Oliver は,大手電気電子機器メーカーのエンジニアで,現在はドイツの彼の家から隣国オランダの職場へ毎日通っています。 家族は嫁さんと 14歳の娘さんです。  私は幸運にも,彼にとって初めてのアジアからの客人だったとのこと。 

 彼は数年前に車で大事故に遭ったそうで,それ以来自分で車は運転していません。 今は24km離れたオランダの Arnhem までを「バイク(=自転車)」で, そこからは職場の同僚の車に乗せて貰って通勤しているとのこと。 国境を越えた通勤なんて,日本ではとても考えられませんが,ヨーロッパでは当たり前のようです。

 Oliver 曰く「今まではドイツとオランダでいちいち換金してたけど,今年の1月からユーロが流通するようになって便利になったヨ。」 ランチを"外貨"で摂るなんて, ちょっとオシャレな気もしますが,当の本人は毎日のように2つの通貨を使い分けなくてはいけないので,大変だったでしょうねぇ。(想像がつかない...) ちなみに, 仕事では基本的に英語,ドイツ語,オランダ語を使うので,言葉はあまり不自由しないそうです。 まぁ,オランダ・ドイツ国境だったら, 両国の言葉が方言のようにある程度流通しているでしょうからねぇ。 この辺も島国日本じゃ,実感が湧きませんなぁ。

エンマーリッヒ近くのライン川 もう下流に近い

 Oliver は,友人の Jochen の車で近くにドライブに連れて行ってくれましたが,Emmerich では概してまぁノンビリと過ごしました。

いよいよ「あの街」へ!
 「オランダは一面ノッペリした平地で,遠くからでも車がよく見える」と,ある本で読みましたが,いやぁ本当ですねぇ。  百聞は一見に如かずじゃないけど,自分の眼で見て初めて "実感" です。 まだそれほど見て回った訳ではありませんが, 地球上にはいろんなところがあるんだなぁと,今回もまた思った次第。

 Oliver が次の街までお父さんの車で送ってくれるというので,甘えることにしました。 荷物を積み込み,世話になった家族の皆さんにお礼を言って,いよいよ出発です。

 次のターゲットは国境の向こう,オランダの「あの街」です。 Oliver の住む Emmerich からはほんの少しの距離。 車は西へ西へと進んでいきます。  さてさて,ドイツ・オランダ国境はどんな感じなのかなぁ? 厳つい検問があるのでしょうか? パスポートにはどんなスタンプが押されるのかなぁ? という期待と不安を残しつつ, 次のページに乞うご期待!となる訳ですね。


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