Europe Report 2.8

「世界の車窓から」ライン川編2

鉄路と古城,そして川を行き交う輸送船
 列車は川を右手に見ながら,快調に走っていきます。 ところどころ,丘の上に古式豊かな城の姿が見え, その下を小さな貨物船がユッタリと川を行き交っています。 ライン川を航行する船は非常に「背が低い」のが特徴ですが, これは各地に架けられている橋をくぐるための構造であろうとは容易に推測できます。 北海に臨むオランダから, 源流のスイスまで,ラインの流れは今でもヨーロッパの人々の暮らしを支えているのです。

 今回は,ICE の運転士に特別にお願いして,運転台から写真を撮らせてもらいました... と書いて,信じて貰えるだろうか?

ところどころで眼にするライン対岸の小さな町

 列車が進む線路は河岸に敷かれていますが,窓の外を見る限り川の水面と線路との高さは数m程度で,それほど差はないようです。  Emmerich でも聞いたのですが,春先の雪解け時期には川の水面が上がるでしょうけど,道路や線路,そして河岸の町は大丈夫なのかなぁ?

 暫くして気づいたのですが,此岸と対岸とを結ぶ橋を思ったほど(というか,日本標準ほど)見かけませんでした。 橋があったのは, どちらかの岸に大きな街があるところくらいだったでしょうかね。 地形的にも簡単に橋を架けられるような感じでは無いようでした。  その代わり,至る所で桟橋を見ましたので,必要な足は渡し船が担っているのでしょう。


かつての「ライン川料金所」だったプファルツ城
 ありゃ,川の真ん中に城があります。 ちょっとお洒落というか,おとぎの国からそのまま出てきたような可愛らしいこの城はプファルツ城と呼ばれ,14世紀に建てられたものです。  かつてはライン川の税関所として,また通行税の料金所として機能したものとのことで,ライン川の中州に建っています。 現在は博物館として公開されているそうで, 近くのライン川右岸のカウプの町から渡し船が出ているそうです。

 歴史的な背景もあるのでしょうけど,川の中洲にも城が築いてあるのには驚きました。 やっぱ,歴史を勉強してから来なきゃいけねいなぁ。 いつもどこそこへ行く度に後悔するのですが, 根っからのサボリ症はなかなか改善できませんなぁ。


モーゼル川がライン川に流れ込むコブレンツ
 さて,線路の周りの風景に家や工場の姿が少しずつ目立つようになり,コブレンツの街が近づいてきているようです。 「世界の車窓から」の風景も, そろそろ終わりですな。

 このコブレンツの街は人口10万,この辺ではちょっとした都会で,ライン川が支流のモーゼル川と出会う街です。 フランクフルトからは1時間20分ほどの距離にあり, 歴史的な見所もあるようで,ライン川観光の拠点としても,うってつけの場所でしょう。 次回,チャンスがあればここを起点に回ってみようかな。

 と,間もなく,列車はコブレンツの駅に入りました。 ここで降りるわけではないのですが,ライン川下りの小旅行はこれで終わりです。

 ♪♪「明日からは,いよいよオランダのあの街のリポートです。」♪♪


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