Report 47b

国境特集 (2)  メーサイ
 この記事は,編集部がここを取材した 2004年1月時点(この時は国境越えをしていません)でのことを基に書いていますので,現在でも同じ状況とは限りません。 メーサイの国境通過にあたっては, 外国人の国境越えが可能か否か,どこでどのような書類や手続きが必要かなどは,必ず自己責任で調査して下さい。

タイ最北端,メーサイにあるミャンマー国境のタイ側ゲート

 国境特集の第2弾はタイ最北端,チェンライ県にあるミャンマー国境のメーサイをご紹介しましょう。 ミャンマー側はタチレク(ミャンマー語では「タチレイ」とも読むらしい)という町で, タイ・ミャンマー国境の中では,最も賑わっているポイントです。


パホン・ヨティン通りの最終標識(上)
タイ側ゲート脇のタイ最北端への案内(下)
 タイ最北端の県の県都チェンライは,バンコクから北に 800km。 そのチェンライから更に 70km 程北に位置するのが,タイ最北端のメーサイ国境です。

 この国境に一直線に通じているパホン・ヨティン通り,どこかで聞いた名前ではありませんか? バンコクのドンムアン国際空港の前を走っている高速道路の下の通り,この道路こそパホン・ヨティン通り。  南端はバンコクの戦勝記念塔〜BTS のアンヌーサワリー駅下のロータリー〜で,ここからの国道1号線がチェンライまで,それから北は地方道(道路地図では Rigional Highway と表現されている)の 110号線に変わるのですが, パホン・ヨティン通りの名前は一貫しており,北端がこのメーサイ国境というわけなのです。

 ちなみに,バンコクで日本人が多く住んでいるスクンビット通りも,延々と南東に延びており,トラートを過ぎてカンボディア国境のクロン・ヤイのハート・レークまでのおよそ 600km の「通り」です。

 今回はこの国境を越えずに,国境の視察に出かけることにしましょう。 パホン・ヨティン通りを北に進んでいくと国境までの道路標識が示され,その先にはタイ側の大きなゲートが出現します。 メーサイの国境もスリーパゴダ・パス同様, 外国人には「非公式」であり,ちょっとだけミャンマーツアーを味わうだけの国境なので,ここからミャンマーに入国することはできません。

 タイ側のゲートの脇に「タイ最北端の地はこの先」との標識があります。 その標識に沿って狭い路地を歩いていくと,国境の橋の麓に "The northern most point of Thailand" と大きく書かれた「看板」がありました。  まぁどこの国も似たようなモノですが,ここでもこの「看板」の前で写真を撮っている国内外の多くの観光客の姿が見られます。


ここがタイ最北端の地です

 ここメーサイのタイとミャンマーの国境線は幅数mの小さな川(メコン川ではない!)で,ホントにこれが国境?と思えるほど。 川の向こうとこっち=ミャンマーとタイ=で,世間話ができるほどの距離しかありません。  橋の上は,にわかミャンマー旅行者やいろんな物資を運ぶ人々や車で賑わっています。 モノによって,タイ側とミャンマー側で価格の違いもあるようで,地元に人達はこの価格差をうまく使って商売をしている模様です。

 この国境の橋の東側のタイ領土内には,小さな川の河上に2階がせり出して越境している(「不法建築物」という話もあるらしい)一部では有名なレストランがあります。 こんなものが実在しても, これといって問題視していないところが何とも大陸的というか,牧歌的というか・・・。 我々も大いに見習うところがあるのでは?



左上:この橋がタイ・ミャンマーの国境 右上:「ようこそミャンマーへ」(?)のゲート
左下:メーサイ名物「越境レストラン」 右下:タイ側で見たミャンマーナンバーのバイク


タイ側の露店にあったミャンマー文字の怪しげな薬

 国境のタイ側は,パホン・ヨティン通りの両側に様々な店が並んでいます。 売られているモノは,バンコクでもよく見るタイ製品のみならず,ミャンマー文字が入った商品や漢字が並んだ中国製なども混じっており, ここが交易の一つの拠点であることを物語っています。 土産に Made in Myanmar の何かを買おうかとも思いましたが,説明を読めない商品を買ってもどうしようもないのでやめました。

 また,タイ領土内でミャンマーのナンバープレートを付けたバイクを何台か見かけました。 ひょっとしたら,ミャンマーの人達が国境を越えてメーサイの町へ働きに来たり, 商品を仕入れに来ているのかもしれません。

 2004年現在,タイとミャンマーの間で公式に開かれている陸路の国境は,前ページのスリーパゴダ・パス,このページのメーサイと,バンコクから北西に 500km ほどにあるターク県のメーソートの3箇所ですが, いずれも地元の人々のために開かれているもので,外国人はこれらの地点から公式に出入国することはできません。 ページの最初にも書いていますが,国境を越えられるか否かは,必ず直前に確認してから行かれることを強くオススメします。(2005年11月記)