China Report 2.2
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秦始皇兵馬俑博物館 〜その2〜 |
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秦始皇兵馬俑の2号坑を覆う「二号坑大庁」 |
1号坑の次に発見された2号坑は,1号坑の東端北側に20m離れたところに位置します。 2号坑は,綺麗な矩形をしているわけではありませんが,概ね東西方向約120m,南北方向100m足らずで,
面積は6,000平方m程度ですから,1号坑の半分程度の大きさです。
全軍の左翼を護る2号坑の部隊は以下の図の如く,@遠射兵器である弩を持つ弩兵部隊,A4頭立ての馬が引く戦車64輌から成る戦車部隊,B戦車と歩兵の混成部隊,そしてC戦車と馬に乗った騎兵の混成部隊
の4つのユニットから構成されています。 |
2 号 坑 平 面 概 要 図
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B 戦車 歩兵 部隊19輌の戦車 と歩兵 |
■■> 北 |
A 戦車部隊8輌×8列に並んだ64輌 の馬4頭立ての戦車 |
C 戦車騎兵部隊6輌の戦車と 108体の騎兵 |
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@ 弩兵部隊160体の重装兵俑 170余体の軽装兵俑 |
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1号坑も同様ですが,殆どの兵馬俑は東を向いています。 これは立国当時の秦が最も西にあり,秦の東に位置するライバル各国(戦国の七雄から秦を除いた斉,楚,燕,韓,魏,趙)に対して護りを固めたからとのこと。
実際に歴史地図で確認すると,当時の秦は確かに最西部にあります。 |
2号坑は発掘の途中なのだろうか。 1号坑より全般的に暗く,出土した陶俑や陶馬を「展示」している環境ではない。 |
平面図の @弩兵部隊 から出土したと思われる弩兵俑。 右足を跪き,左足を立て膝にして遠射兵器である弩(いしゆみ)を構えている姿で,高さ1.2m。
力強さと素早さを兼ね備えたカッコイイこの姿は「勁捷瀟洒的」に相応しいか。 この陶俑が持っていた弩(いしゆみ)は朽ち果てて失われたものと考えられる。 靴の裏にはシッカリと滑り止めも着いている。 この当時の兵器は以下の表に示すようなもので,この兵馬俑からも多く出土しているとのこと。 これらの兵器の姿は こちら を参照されたし。
秦の時代の主要兵器
種 類 | 名 称 | 解 説 |
実戦用 | 遠射兵器 | 弓,弩(いしゆみ) 鏃(やじり) | 直接剣を交えることなく遠くから敵を倒す兵器 |
長(柄)兵器 | 戈,戟,矛,ハ | 敵から距離を置いて攻撃できる日本の槍のような兵器 |
短(柄)兵器 | 剣,呉鉤(弯刀) | 直接敵と剣を交える日本の刀のような兵器 |
儀礼用 | 礼兵器 | 殳,鉞(まさかり) | 権威を示す儀礼用の兵器 |
この当時の兵器の殆どは青銅製であったが,驚くことに表面には厚さ約10ミクロン程度の酸化クロムが緻密に塗布されており,腐食を防ぐ防錆の役割を果たしていた。
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この陶俑は2号坑の将官の側から出土したもので,将官より身分が低い士官の俑と考えられる。 胸には彩色のある長さ65cmの鎧甲を纏い,足には先端が上に反り返った靴を履いている。
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この武将俑は1号坑から出土したもので,高さ1.97m,肩幅55cm。 鳥の尾状の帽子を被り,腰にベルトがある長丈のゆったりした服を纏っている。
角状の靴を履き,重々しく真剣な表情をする武将俑である。 風采依旧的とは「立派な立ち振る舞いをそのまま再現した」とでも解するべきか。
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「英姿颯爽的騎兵俑」は2号坑から出土 |
英姿颯爽的騎兵俑とは「さっそうとした勇姿の騎兵俑」の意。 Cの戦車騎兵部隊 から出土したものと思われる。 兵俑の身長は1.8m,陶馬の高さは1.72m,長さは2.03m。 馬には鞍があるが,鐙(あぶみ:馬の鞍の両側に吊し,乗馬する時に足をかけるもの)は無い。
4人の騎兵と4頭の馬が1組の状態で出土し,全て東を向いていた。 |
日頃から訓練を積んでいる兵俑,身長1.78m。 立射俑とは,立ったままで遠射兵器の弓を操作する兵を俑にしたもので,俑に動きが感じられる。
この類の陶俑は2号坑から172体出土したとのこと。
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これまでご案内してきた1号坑と2号坑は,東から攻めてくる「敵」から皇帝をを護る実戦部隊で,当時の強大な軍事力を忠実に表現しています。 現在に残る兵俑の姿は,現代人と比較するとほぼ等身大ですが,2200年前の当時の人々の平均的な体格と比較すると,
やや大きめに作られたようです。 これは,皇帝の死後を護る軍の強さを誇示するためであるといわれています。
陶俑を具に観察すると,様々な服装や格好により身分が区別され,顔立ちや体格は漢をはじめ蒙古や西域など,それぞれの民族的特色を表現しています。 この高度な写実性は,この兵馬俑の特徴の一つです。
「大庁」の窓にも粋な飾りが |
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