いよいよアンコールワットの中心,中央祠堂に迫ります。 しかし,最後の第三回廊へ登る階段が極めて急なのです。
この急傾斜に我が家では,私だけが「代表」として第三回廊まで登頂しました。 殆ど階段に張り付いた状態で 10m ほどの高さを上っていきます。
第二回廊同様,踏面(足を乗せる水平面)の奥行が短いので,慎重に登っていかないと一歩間違えば踏み外しそう。 ここからズリ落ちたらタダじゃ済まないでしょう。
命からがら(?)辿り着いたアンコールワットの最も高い地点から望む風景は素晴らしいものです。 12世紀にここを創建したスーリヤヴァルマン二世が見た景色もまた,同じような風景だったのでしょうか?
世界遺産の中心でこれといって叫ぶこともなかったのですが,かつて栄えたクメール王国の中枢に立つことができた満足感のようなものが全身を走りました。 人生の最期にこの地を目指したといわれる,
戦争写真家の一ノ瀬泰造がアンコールワットに惹かれた気持ちが少しだけわかったような気がしました。
第三回廊には第一,第二回廊と同様,四隅に塔門があり,中央祠堂を守るように聳えています。 これらの尖塔が美しいアンコールワットの象徴的シルエットを描き出しているのです。
しかし,この第三回廊の内側は思ったほど広くないので,この部分をうまくカメラに納めるにはそれなりの広角レンズが必要ですね。