April 2016

2016年
4月10日
(日)
【日本の文字文化のスゴさ?】
 新年度になりました。 進学や就職、あるいは転職、転勤などで「本拠地」が変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか?  新たな生活になった方も、これまでどおりの皆さんも、それぞれにご活躍をお祈りします。

LIXIL BOOKLET 文字の博覧会
旅して集めた”みんぱく”中西コレクション

 先月最後の日記で、文字の博覧会@大阪 を観たことを紹介しましたが、その後、編集会議をしている中で、固有の文字文化を持つ日本はスゴイねぇ... という話題になりました。  う〜む、そうかなぁ...? 身の周りを振り返ってみると、日本で使われる文字は「漢字」「ひらがな」「カタカナ」と「ラテン文字(アルファベット)」ですね。

 左の写真:展覧会の解説目録「LIXIL BOOKLET 文字の博覧会 旅して集めた "みんぱく" 中西コレクション」に掲載されている文字の系譜を見ると、現在世界で主に用いられている文字の起源は「エジプト文字」と「甲骨文字(漢字)」の2つです。

 「エジプト文字」起源の文字は今や様々な文字に派生して、ユーラシア大陸からアフリカ大陸の一部で広く使われています。 アルファベットに代表されるラテン文字、物理記号によく出てくるギリシア文字、ロシアや東欧で広く使われているキリル文字、  右から左に書く特徴でアラビア半島〜南西アジア・北アフリカ一体で使われているアラビア文字、ペルシア文字、アフリカのエチオピア周辺で用いられているエチオピア文字、そしてインド〜東南アジア方面の各地で使われているタミル文字やタイ文字など、  これらは全て「エジプト文字」起源の表音文字です。
 
金印「漢倭奴國王」印影


 甲骨文字は、古代中国で占いのために動物の骨に記号を刻んだもので、現在の漢字の起源です。 日本には大陸との交易を通じて伝わり〜例えば西暦57年には漢字で「漢倭奴國王」が刻されている金印が贈られ〜ました。  漢字はその記号自体が意味をもつ表意文字です。 ひらがなやカタカナは、当時漢字だけで表記していたものを読み易くするための補助的な文字で、漢字の草書体や一部を記号化して平安時代の頃に日本で独自に開発した表音文字です。  日本では、世界に類を見ない独自の日本語と共に、今でも「甲骨文字」起源の漢字と、漢字をアレンジして独自に作り出したひらがなとカタカナを使っているわけです。

 まぁ、漢字は中国伝来の文字ではありますが、それを今でも使いこなしていることや、漢字をネタに自分たちの言葉を表しやすい記号〜ひらがな・カタカナ〜を独自に開発したこと、そしてココ数百年ではこれらに加えてアルファベット(ラテン文字)もカッコよく使っていることがスゴイ!というのが、編集会議での結論でした。(1)


2016年
4月24日
(日)
【地震お見舞い申し上げます】
運命に負けないで!
 熊本・大分を襲った激しい地震。 被災された皆さまには、こころからお見舞い申し上げます。  今でも行方が判らない方、避難先で不自由な生活を強いられている方、家や学校、職場などが被害を受けた皆さん、いろいろと大変でしょうけど、何とか頑張ってください。

 そして、この大変な状況の中で、昼夜を問わず捜索活動や復旧活動をされている皆さんも、余震や二次災害などに十分ご留意されて下さい。

 身の周りのライフラインや道路、鉄道など、少しずつ復旧が始まっています。 暫くは大変な状況が続くことと思いますが、復興に向けて希望を持っていきましょう。(2)


2016年
4月30日
(土)
【熊本地震の一連の報道に思う】
 熊本地震の発生から2週間余り。 昨日も大分中部を震源とする最大震度5強(大分県由布市)の地震が発生しました。 一連の熊本地震の余震と見られますが、九州中部では残念ながら今でも突発的な揺れが治まらないようです。

 その一方で、ライフラインやインフラの復旧は目覚しいもので、九州新幹線や九州縦貫自動車道は、この大型連休を前に(一部暫定もあるようですが)繋がりました。  電気はいち早く復旧しましたが、ガスや水道も全面復旧に向けて、修復作業が続いています。 昼夜返上で従事されている皆さんには頭が下がります。

 ところで昨日からの休みでテレビの報道を見ていましたが、避難所周辺からの中継が多く、発災直後と変わらないマンネリな印象でした。  全ての番組をチェックしたわけではありませんが、この連休向けに、北部九州から南部九州方面への交通情報や、被災地が求めている物資・資材やボランティアの情報などが積極的に伝えられている印象が薄いものでした。

 1995年の阪神・淡路大震災や 2011年の東日本大震災の時に、当時のマスコミの報道姿勢が問われた面がありましたが、今回も避難所や被災者を中心にした報道が多く見うけられ、その時の「反省」が活かされていないようです。  SNS などで「被害者」側の主張も世間に拡がる時代、マスコミの見苦しい姿勢が一部で情報として拡散していたようです。

 今回の一連の報道の全てを否定するつもりはありませんが、テレビ、ラジオ、新聞、週刊誌などのマスコミ各方面は、大災害発生時のマスコミのあり方について、ある意味「反省」を含めて真剣な議論が必要ではないでしょうか。  熊本・大分の一連の状況が一段落した段階で、自らの報道について分析するマスコミの姿勢が求められます。(3)