Berlin Report 2.7

ツォー駅周辺


ベルリンの鉄道の玄関口ツォー駅

 ベルリンの鉄道の玄関口はツォー駅です。 位置関係は別にして,ベルリンの街の様子を福岡に例えるなら,ツォー駅=博多駅,ポツダム広場=キャナルシティ, テレビ塔=福岡タワーといった感じでしょうか。

 このツォー駅,「本名」は Berlin Zoologischer Garten 駅,要するに『ベルリン動物園前駅』で,実際にこの駅の近くには 1844年開園,ドイツ最古のベルリン動物園が控えております。  『動物園前駅』が街の,それも天下のベルリンの玄関とは,面白いですね。 しかし,欧米の多くの都市では駅の名前=都市名では無いのです。 ニューヨーク駅も,ワシントン DC 駅も実在しません。  ニューヨークには Grand Central Station(北方面行)と Penn Station(南方面行)が,ワシントン DC には Union Station があります。 ロンドンやパリも,列車の行先方面別に駅が分かれていますが,やはり「ロンドン駅」, 「パリ駅」はありません。 ところで,8月に中国の西安と洛陽に行った時はそれぞれ西安駅,洛陽駅がありました。  どうやら都市名をそのまま駅名にするのは東洋の文化のようです。

 閑話休題,このツォー駅を降りて眼に入るのが Kaiser-Wilhelm Gedachtnis(カイザーヴィルヘルム記念)教会です。 この教会は,1888年にこの世を去ったヴィルムヘルム皇帝のために,1891年から4年の歳月を費やして建てられたネオロマネスク様式の建築物です。


夜10時でもこの明るさ! ツォー駅前の
カイザーヴィルヘルム記念教会

 この教会は,第二次世界大戦の連合軍の激しい爆撃で甚大な被害を受けました。 戦後,破壊されたこの教会をどうするかで論議になり,1956年には完全撤廃案も出たようですが, ベルリン市民は大戦中の悲惨さを忘れることがないように元の教会は破壊されたまま残すことを選択し,隣に近代的な教会を建てたのです。

 右側のビルのような建物は,1963年に完成した現在の教会で,地元ではこれを一大美術作品と見なして「口紅とおしろい小箱」と呼んでいます。 う〜ん,言われたらナルホドですな。

 夜10時に撮影した写真は右のような感じで,まだ明るさが残っています。 ベルリンは北緯53度,日本より遙か北(稚内で北緯45度31分),ロシアのハバロフスクよりも更に北,樺太(サハリン)の北部と同じ緯度なのです!  夏には北極圏に白夜があるように,北に行くほど夜が短くなります。 日本よりも遙か北に位置するベルリンでは,夏場の夜の短さを実感できるというわけです。


長距離便の ICE(手前)やローカル便(奥の赤い列車)と旅人で賑わうツォー駅


ツォー駅前にあるベンツマークが象徴的なオイローパセンタービル


オイローパセンタービル内のサイホン式の水時計
暫く見てても飽きることがない


ツォー駅の公衆トイレ
小:0.60ユーロ
大:1.10ユーロ
シャワー:7ユーロ

 カイザーヴィルヘルム記念教会の先には,メルセデス・ベンツのマークを頭上に掲げた Europe Center(地元では「オイローパ・センター」という)があります。  ここの1階ロビーには,複雑に組み合わされたサイホン式の水時計があり,地元の人たちの待ち合わせ場所にもなっています。 このサイホン時計,見ててなかなか飽きないので,待ち合わせ場所には「最適」,私もしばしの間見入っていました。

 ヨーロッパの公衆トイレは有料が多いことは別のページで書きましたが,ツォー駅も例外ではなく,ここでは左の写真のようにやや「高い」価格に設定されていました。  しかし,流石ベルリンの玄関だけあって,中は非常に綺麗(値段がた!)でした。

 だいたいこれで,今回訪れたベルリンの主要観光地のご案内は終わりです。 さ〜て,もう終わりにしますか? いえいえ,もうちょっとおつき合い下さい。  次のページでは,さすがドイツ!とおもわず唸ってしまう,あの場所に行ってみましょう。


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