なんとか相性も合うアヤさんが見つかり、いよいよ働いて貰うことになる。 部屋のみならず風呂やトイレの掃除は勿論、家族の衣類の洗濯やアイロンがけ、買い物や夕食の準備は全てやってもらえるので、奥さまはそりゃ〜楽になるのは間違いない。
さぁ時間もできた、ちょっとどこかに遊びに行こうかな...と、アナタはアヤさんを一人住まいに残して外出できるだろうか? あるいは暑〜い日にアヤさんが居る部屋で、パンツ一丁でウロウロできるだろうか? 外から帰ってきて、外した腕時計やポケットから出した財布をどこに置くだろうか?
「家族以外の第三者が常に存在する」ことに抵抗がなければ、アヤさんに家事を任せて楽な生活を送ることができるだろう。 いつか、どこかに別記するが、西洋人はそれが自然にできる人種である。 だからこそ、外に出かける時にでも家族同様メイドを連れて出かけ、場合によっては他の国の転勤先にまで連れて行き
(=それだけ責任もって信頼し)、子供の面倒を見て貰う風景が普通に存在する。 一方で今日の一般的な日本人はどうだろうか?
タイの裕福な家庭では、メイドとして若い女性を雇って彼女を一人前に育て、就職先や嫁入り先を探すのが「雇用責任者」の義務らしい。 昔の日本の丁稚奉公の制度によく似ている。
端から見たら楽そうに見えるアヤさん一人の雇用の陰にも、目に見えないさまざまな事柄が存在するのである。 任期が終わって日本に帰国する時に、一緒に連れて来られるようなアヤさんに巡り会うことができれば、それが双方にとって一番の幸せなのかもしれない。 〔2009年11月記〕