日本に帰ってきて、酒席などでタイの話をしていると、「タイに滞在する日本人は運転手やメイドを雇わなければならない」と主張する日本人に多く出くわす。
そういう話は往々にして耳にするが、筆者の場合、そんなことは全くなかった。 運転手やメイドの雇用義務が無いことを説明したところで、どこかで聞き囓ったクレバーな思い込みを正すには膨大なエネルギーが必要になるので、
「そういうケースもあるでしょうね」と適当に流すことにしている。
どこの国でも同様であろうが、入国する時は滞在許可が出される。 観光目的の入国では数日〜数か月というのが一般的で、タイの場合も日本のパスポート所持者が観光の目的で30日以内の滞在であれば、
空港などのイミグレーション(入国審査)で30日の滞在許可スタンプがパスポートに押されることになる。(2008年6月現在)
これが留学や仕事などで長期間滞在することになると、予め大使館にビザを申請する必要があり、学校の在籍期間、仕事の契約や労働許可の期限などを勘案して、パスポートの添付書類やパスポートへのスタンプなどの形で滞在許可が出される。
長期間の滞在許可を得るには、様々な書類が必要であり、またいろいろなインタビューや説明を受ける。 筆者もタイ入国初期には、入国管理局や労働省、日本大使館、法律事務所、病院などあちこちを右往左往した。
この滞在許可を得るためのプロセスで、「タイに滞在する日本人は運転手やメイドを雇わなければならない」との話は一切無かったし、書類上にもそのような表記は無かった。
ここでは、聞き囓りのクレバーな思い込みに少しばかり抵抗すべく、タイのドライバーやメイド事情について気ままに書いてみることにする。