Europe Report 3.2

アーンネムに行ったワケ
 時は今(2002年)から遡ること25年,時に中学生であった小生が,初めてマトモに見た映画作品が,リチャード・アッテンボロー監督の「遠すぎた橋」。  この作品は,オランダを舞台にしたもので,第二次世界大戦最大の,いや恐らく史上最大の空挺(落下傘部隊による降下)作戦,【マーケット・ガーデン作戦】を描いたノンフィクションです。

ライン川下流側から望むアーンネム市街 中央右手のアーチが「あの橋」

 歴史的なノルマンディ上陸作戦の成功から3か月後の 1944年9月,連合軍はドイツの殲滅を狙って,アーンネムにかかる橋を最終ターゲットに大規模な作戦を試みるのですが,結果的にはドイツ軍の徹底的な抗戦を目の当たりに失敗に終わり,多数の犠牲者を出すことになります。  原作は,ノルマンディ上陸作戦を描き,映画化された "The Longest Day" と同じ,コーネリアス・ライアン。 そしてこの作戦の,もちろん映画にも登場するまさに「遠すぎた」橋こそが, 今回訪れたアーンネムのライン川にかかる橋,そのものでした。

アーンネムの象徴 Eusebius Church

 映画に「感化」された小生はそれからというもの,このマーケット・ガーデン作戦に興味を持ち,コーネリアス・ライアンの原作(早川書房から単行本が, 早川文庫から文庫版がそれぞれ出版された)を何度も読み,アメリカでは原作本を探し回ってやっと入手。 また,ヨーロッパの第二次大戦記なども読みあさり(といえば, 聞こえはいいが,殆ど「立ち読み」!),『生きてる間に,アーンネムに行って,あの「橋」をこの眼にしたい』との思いがだんだん募るようになってきたのです。

 以来,ヨーロッパに行く機会が 1995年,1997年と2回ありましたが,いずれもアーンネムは「遠すぎた」地で,行かず仕舞いでした。 ところが今回は, 程よく2〜3日の時間がとれ,しかも訪ねた Oliver はドイツ西部の Emmerich で,アーンネムまでは目と鼻の先,『行かない手はない!』

 本当は,オランダ南部のアイントホーフェンからマーケット・ガーデン作戦が辿った道を経てアーンネムに行きたかったのですが,チョットそれには時間が足りなかったので, 「歴史探訪」は次の機会(さて,いつのことか?)の楽しみにとっておいて,今回はアーンネムに的を絞りました。


オランダ国鉄のアーンネム駅

 今回はアーンネムに2泊,史跡を回る時間は実質1日しかなかったのですが,やっぱ足りなかった。 初めて行く街は,距離感覚や方角などを掴むのに時間がかかるので, 思うように回れないのはいつものこと。 それでも,見たかった「橋」はもとより,作戦で連合軍の前線司令部となったハルテンシュタイン・ホテル(現在は, マーケット・ガーデン作戦の史実を展示する "Airborne Museum" として一般公開されている)も見ることができ,滞在期間が短かった割には充実してたかな。  とはいえ,もう2〜3日は欲しかったなぁというのが,正直な本音です。 今回の訪問で街の様子はだいたい判ったので,次回はもっと「予習」してジックリ回ることにしよう。
 というわけで,自分の「夢」の一つが叶った今回のアーンネム訪問。 チョット「ヲタク」な内容に走り気味かもしれませんが, 歴史の1ページの一部を紐解きつつ,訪問記を綴っていきましょう。

マーケット・ガーデン作戦50周年記念切手シート(1994年発行)


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