Report 15

羨ましい日本の水事情
 『「あ〜,喉が渇いた,水でも飲むか」 "ジャー!!",ゴクンゴクン,旨いなぁ!』 日本では当たり前の光景ですね。   最近ではそれほどでもないのかもしれませんが,「水と安全はタダで手に入れることができる」とは,かつて日本を象徴するイメージの一つでした。   とはいっても,何の疑いもなく水道の水を飲むことができる日本は,飲料水の面では世界でも数少ない「安全」な国と言えるでしょう。  日本以外で水道水を安心して飲める国をいくつ知ってますか?
街で売られているミネラルウォーターの一例
この大きさ(500ml)で,1本6〜10バーツ程度

 さて,「東洋のヴェニス」ともいわれるバンコクの水事情や如何に? 滞在しての率直な感想は「水道の水は飲めない」ということです。 水道の水が飲めない〜というか,すぐには体に馴染まない〜とは,何もバンコクに限った話ではありません。

 以前,アメリカに10か月住んでたときも,最後の数か月こそ水道水を飲料用にしました(恐らく体が馴れたからでしょう)が,飲料水はずっと買っていました。

 まぁ,そんな経験もあったからか,バンコクで飲料水を買うこと自体は特に抵抗ありませんでした。 そうは言っても,毎日使う飲料水ですし, その重さも大したものですので,そうそういつもいつも買ってくるわけにはいきません。 アメリカでは自分で車を持てたので, 気軽にスーパーマーケットに買いに行けたのですが,バンコクではとても自分では車を運転できる状況ではありませんので, オイソレと買いに行くことが難しいのです。

  さて,どうするか? 長く滞在している人や,タイの知人に尋ねても異口同音「水道水は飲まないに越したことはない」という答です。  ところが,暫くすると,浄水器の存在に気がつきました。 日本人向けのコミュニティ誌の広告や,日本でいうところの "DIYショップ" に存在することに気づいたのです。  よくよく見ると,ピンからキリまで,タイオリジナルや日本でも見たことあるもの,それに買い取りのみならずレンタルなど,いろいろな種類のものが出回っています。 仕事で繋がりがあるタイの知人も,取り扱っているところを紹介してくれました。

 
我が家で使っている浄水器

 で,結局我が家で導入したのが右の写真の浄水器です。 いつ日本に帰れるかは判りませんが,日本に持ち帰っても使えるようにと, 日本製(M菱Rヨン)のものにしました。 価格は買い取りで 6,000バーツ。 フィルターは交換式で2,500バーツ, 取り替え頻度は水質にもよりますが2〜6か月程度です。 これが高いか安いかは人それぞれでしょうけど, バンコクで住むに当たって必要と思われるな経費の一例です。

 バンコクでは,日本の某地方都市のような水不足こそ無いようですが,水質に関してはあまりいい話は聞きません。  信じられない話かもしれませんが,私が住むアパートでも部屋によって水質が違うようです。 これは,使っている水道管の殆どが鋼管で, 部屋によって住人の入れ替わり頻度や,水道の使い方が違うからだろうと推測しています。

 一部の旅行ガイドブックでは,レストランなどで出される水や,飲み物に使われている氷にも注意するような記述があるようですが, ある意味でこれは当たっています。 「それなり」のレストランでは,水を注文すると,ボトルのミネラルウォーターが出て来るところもあります。  氷も浄水器を通した水で作られていることが多いようです。 また,いきなりコップに入った水が出てきても, 浄水器を通した水であるケースが多いようで,あまり悪い話は聞きません。 しかし,屋台などでは水道水やその氷がそのまま出てくるケースもあるようで, どうやら注意が必要です。 私の知人(日本人)は,某パッポン(西洋人向けの歓楽街)で飲んだ氷入りのコーラで「やられた」ことがありました。

 無くてはならない飲料水(氷)ですが,人それぞれに胃腸の「強さ」や興味の対象(?!)は異なりますので,自分自身に「応じた」行動を心掛けたいものですね。  日本で水道の水が「旨い」の「マズイ」のと言ってましたが,バンコクに住んでこそ初めて,それはそれは最高の贅沢と気づいたのです。