さて,復刻面(?)は上のとおりです。 「復刻」と推測した根拠は,左上に "1st April 1902" とあること,(a)に "rat-tha-baan(政府=国王肖像面(1)上段の左5文字に同じ)-siam(シャム)" のタイ語表記があることです。 タイの歴史を紐解くと,
最初の紙幣が発行された1902年は「シャム王国」であり,辻褄が合います。 (「タイ王国」となったのは1939年)
額面表記は,左縦書きの「壹-イ百-金末(中国語)」,中程左側英語表記の "ONE HUNDRED TICALS",中程右側タイ語表記(b)の "roi-baht(百バーツ,国王肖像面の(1)下段と同じ)" が判ります。
右の縦表記もアラビア語(ペルシャ語? or インドのウルドゥ語?)で「ひゃくバーツ」と書いてあるものと推測します。 これらのことから,1902年当時は,
地元タイ人はもとより,中国人(華僑)や西洋列強,そしてアラビア(〜インド系のペルシャ湾地域)の人たちが,当時のシャムの経済を回していたこと,そして通貨単位の英語表記は "Baht" でなく "Ticals" であったことなどをうかがい知ることができます。
欄外の一番下には,"100 baht","2445(=仏暦の2445年=西暦1902年)" などのタイ語表記があることから,この面が仏暦2445年に発行された最初の100バーツ紙幣の復刻であることを説明する文章ではないかと推測します。 (タイ語が読める方,助けてぇ〜)
そして最後に,この記念紙幣の恐るべき事情(ヲイヲイ,ホントかよぉ!)を推測しました! 国王肖像面に,チュラロンコーン王(ラマ5世)と,現プミポン国王(ラマ9世)の,歴代の国王の中でもタイ国民から絶賛される二大人気の肖像画が印刷された理由は,
恐らく(筆者の独断と偏見!),国民からの絶大な支持があることも勿論ですが,この紙幣が発行されるきっかけとなった,タイ初の発行紙幣の時代:1902年当時の国王がチュラロンコーン王(ラマ5世)その方だったからではないかということであります。
(そんなことは「恐るべき事情」でなく,容易に推測できますなぁ!)
運良く入手できた方は,改めてシゲシゲと眺め,タイの歴史に浸って下さい。 残念ながら入手できなかったあなたは,このページを読まれて「ふぅ〜ん」と唸ることでしょう。 つまらない「分析」に長々とおつきあい戴き,ありがとうございました。