Report 25 | |||||||||||||||||||||||||
日本語の難しさ 〜文字編〜 | |||||||||||||||||||||||||
皆さんが,日常何気なく使っている日本語。 さて,この日本語が,いかに「難しい」言語であるのかを想像したことがありますか?
私見ですが,日本語は世界の言語の中でも最も「難しい」類に属するものと思っています。 どうしてそんなに「難しい」かって? それでははじめに,
文字や表記方法などの「読む・書く」ことにターゲットを絞って,他の言語と比較してみましょう。 比較対象は,皆さん馴染みある英語と,うちのカァちゃんと私がこちらで僅かながら「勉強」したタイ語です。 まずは,各言語の表記の実例をご覧下さい。 | |||||||||||||||||||||||||
日本語は判るとして,多くの皆さんは英語も読めますよね。 上記の記事はホンダがバイクの価格を値上げするというものです。
ところが,タイ語は如何ですか? タイ語を知らない方は判らないのでは? 上記の記事はワールドカップで日本がロシアに 1-0 で勝った時の記事です。
それでは,ここで例えばタイの人たちや英語圏の人たちが「日本語を学ぼう!」と奮起した場合,読み書きに当たって何が必要か,想像してみましょう。
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今まで幾人かの「外国人」に日本語の何が難しいかを聞いたことがあります。 読み書きに限れば,その答の多くは表意文字を使うことと,
使う文字の多さを挙げていました。
上の表からもお判りのとおり,日本語の表記方法が他の国の言葉と決定的に違うのは表意文字を使うことです。 この表意文字とは,文字そのものが意味を持っているもので,
私の知る限りでは,漢字文化圏のみの独特の文字です。 一方,その他の多くの言語は,日本語のひらがな,カタカナのように,文字に意味が無く音だけを表す表音文字を使用しているため,
「文字に意味がある」ということを理解することが難しいようです。
次に日本語が難しいのは,基本的に使用する文字数が絶対的に多いことです。 日常の会話でも,「日本人はいくつの文字を使うんだ?」との質問に「だいたい2000位かなぁ」と答えると,大抵の人は驚きます。
次には「2000もの文字をどうやって覚えるんだい?」となる訳です。 恐らく,日本語は中国語と並んで使用する文字数が圧倒的に多く,世界でも最も多くの文字を使う言語でしょう。
実際,漢字は約5万字ある(大修館:大漢和辞典による)といわれていますが,私たちは通常2000字ほど(1981年に制定された常用漢字は上記の表のとおり1945字)の漢字を使っています。
日本語を学ぶ多くの外国人は,まずひらがな,次にカタカナ,そして漢字を覚えるというパターンが一般的なようですが,良く聞く話では,漢字になった途端にメゲるケースが多いそうです。
その理由は,字数が多いことと,表意文字であるが故に,1つの文字に対して恒常的に複数の読みがあることです。
如何ですか。 上の表には,他にも私なりに見つけ出した日本語の特徴的な事項を挙げましたが,多くの文字と様々な読みを当たり前のように「使いこなす」私たちの日本語が,如何に難しいものか,
少しはイメージして戴けたでしょうか。 次のページでは,日本語の難しさについて,文法的に分析してみましょう。
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