Report 27a

バンコクのバスを乗りこなす
〜 実践編 〜

「待合所」もあるバス停 通るバスの番号が表示してある
 それでは,バス停に行ってみましょう。 "BUS STOP" と書いたバス停があって,だいたいいつも何人かの人がバスを待ってますから,判りやすいでしょう。 各バス停には, そこを通るバスの番号が明記してありますので,自分が乗りたいバスが来るかどうかを確認して下さい。

 ところで,バス停にはバスの運行時刻表はありません。 まぁ,仮にあっても交通渋滞が激しいバンコクのことですから,全くアテにならないことでしょう。 ちなみに,初めてバスに乗る時は土曜日か日曜日の昼間,それも比較的交通渋滞が少ない早い時間帯の利用をお奨めします。 平日の朝夕にでも乗ろうものなら,ハッキリ言って目的地に着く時間は全く読めません。  自分が乗りたいバスは,来るまでひたすら待つべし。 経験すれば判りますが,いくら待っても来ないこともあれば,2〜3台まとめて同じ時間に通り過ぎることもあります。  そうそう,バス停でバスを待ってる間に1バーツ,5バーツまたは10バーツコイン, あるいは20バーツ紙幣を準備しておいて下さい。 ノンエアコンバスでは最高でも5バーツですから,50バーツや100バーツ以上の高額紙幣は車掌から嫌がられます。


バンコク標準「乗りますよ〜」合図
 さぁ,目的のバスが来ましたよ。 どうしますか? バンコクでは日本みたいにバス停に立ってても,バスが停まる保証はありません。 バス停で待ってると判りますが,地元の人たちはバスの運転手に向かって,左手を水平にして人差し指を立てるポーズを見せることで「乗車意志」を表現します。  これで,多くのバスは停まってくれますが,中には運転手の気分次第〜早く仕事を上がりたい〜で,無視して通り過ぎることもあります。 (今日もそういう光景を目撃した!) また,何台ものバスが連なって来ると,「向こうの方」で客だけ降ろし,そのまま通り過ぎるバスもあり。  こんな時はバスまで近づいて行って,乗車意志を示すと停まって待っていてくれます。 「受け身」ではバスには乗れません,乗車意志を如何に運転手に知らせるかが乗る前のポイントです。

 さて,漸くバスに乗ると,席が空いてれば最寄りの座席に座ること。 これは外がよく見えるので,自分が降りたいところが近づいた時に判りやすいからです。 混んでて座れない時は,座席の耳や天井の「鴨居」をしっかり握っておくこと。 ちなみにバンコクのバスには吊革はありません。  バスの運転は思った以上に荒いし〜急発進,急停車,突然の車線変更は日常茶飯事〜,中には扉を開けっ放しで走るバスもあるので,自分の身の安全を自分で守ることが基本だからです。


吊革が無い車内(左) 扉の左上にある降車ブザーのボタン(右)

 ジャラジャラと金属製の筒を鳴らしながら車掌が近づいてきます。 黙って手持ちのお金を渡すと,キップ(+お釣り)を渡してくれます。 時々抜き打ちで検札がある〜途中のバス停から突然「検査官」が乗ってきて乗客のキップを調べる〜ので,このキップは降りるまで大事に持っておいて下さい。  どうやら「子供料金」は存在しないようで,今まで子供達を連れて何度と無くバスに乗りましたが,車掌は大人分のみしか料金を取りません。 中学生「くらい」から料金を徴収するのかな? こんなファジーなところもまたバンコクの味がでています。

 BTSに乗ってみようのページでも触れましたが,子供や子供を抱えた大人には,必ずと言っていいほど誰かが席を譲ってくれます。 比較的若い人が席を譲るケースが多いようです。 こういう話をタイの人にすると, 「それはタイのカルチャーだ,タンブン(仏教の「寄進」に相当,広い意味で「困っている人を助けること」らしい)の一つなのだ」と説明してくれました。 「親切」と言わないところが素晴らしい! さすが仏教大手の国です。

 バスはトゥクトゥクや多くのバイクを左右に,数え切れない道端の屋台に垣間見るバンコクの生活の合間を走り抜けて行きます。 そろそろ目的地が近づいて来る頃でしょうか。 バスを降りる時は,扉の近くや天井にある赤いボタンを押すと,ブザーが鳴って次のバス停で停まってくれます。 信号で止まっている時に知らん顔で降りていく人もいます。  ところでバンコクのバイクは,通れるところはどこでも走ります。 バス停に停まろうとするバスと歩道の間をすり抜けるのなんて「普通」です。 従って,バスを降りる時は,必ず左を見てバイクが来ていないことを確認して下さい。

 「左ヨシ!」,安全を確認して目的地でバスを後にします。 ガガ〜っと,エンジンの音高らかに,黒い煙を残してバスは走り去っていきました。 さぁ,これであなたもバンコクの「バス名人」の仲間入りですよ! (2003年6月記)


バスの車内で「購入」するキップ


やっと目的地に着いた,さようなら〜