Cambodia Report 3.8

タ・プローム
−その2−
 境内の瓦礫や石積みを呑み込んでいる樹木の「隙間」に足を進めて行きますが,だんだん方向感覚が鈍ってきます。 幸いに天気がいいので,日差しの方角を基準にしましょう。

瓦礫が散らばる境内

第三東塔門の入口(外側)。 崩壊が進んでいるので,多くの建物では中に入ることは難しい。



建物内部の様子
比較的状態が良い建物の内部の様子。 出入口が塞がれていたり,足下の状態が良くないので十分な注意が必要。  今後も少しずつ崩壊が進むものと考えられるが,建物内部に入ることができるのはいつまでだろう。



血管の如く塔を覆い尽くす樹木(左)と 回廊を呑み込む怪鳥の脚(右)
自然と人間とが織りなす「芸術」と見る眼もあるが,樹木も日々生長している。 これらの「芸術作品」は,どのように変貌していくのだろうか?




廃墟を見つめる女性像達
アンコールワット同様,ここでも多くの女性像を見ることができる。 徐々に姿を変えてきたタ・プロームを,彼女たちはどんな想いで見つめてきたのだろう。



密林の中に君臨する西塔門

 800年前にタイムスリップした如き遺跡を散策してきました。 この神秘的な風景は,かつて栄えた熱帯の壮大な寺院がその衰退の後, 人間が長い年月足を踏み入れなかったことを物語っています。 そして,大自然の前に人間が如何に無力であるかをも思い知らせてくれるものです。

 このタ・プロームは,その神秘的な雰囲気から東洋人に人気のスポットとのこと。 日に日に木々が成長していき,これまでに手が入っていない遺跡が自然に「侵食」されていくに従い, 我々が足を踏み入れることができる範囲も,徐々に狭くなっていくのかもしれません。

 ここを訪れたのは午後の時間帯でしたが,緑が多かったせいか驚異的な暑さは感じませんでした。 さて,この次はどこにタイムスリップしましょうか。


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