July 2017 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年 7月17日 (祝・月) 海 の 日 |
【博多祇園山笠2017大特集】
今年は4月から本拠地が佐賀に移ったので、このところの取材活動も停滞気味。 例年「(唯一?)力を入れている」博多祇園山笠の取材も、期間中には間に合いませんでした。 しかし何とか形にせねばと、山笠期間中に少ない時間を工面して取材した記録をここに「大特集」としてお届けします。 「手抜き」ではありますが、番号順の飾り山と、15日(土)の追い山の結果をお知らせしますね。
7年に一度回ってくる一番山。 一番山は最終日の追い山の櫛田入りで、唯一「祝いめでた」を唄える名誉の山です。 今年は中洲流にその一番山が巡ってきました。 中洲流は、東流や千代流同様、舁き山と飾り山の両方を奉納する流です。
今年の飾り山は「織田信長」がテーマ。 表標題は今川義元に奇襲をかけて勝利した桶狭間の戦い、そして見送りは明智光秀の謀反で最期を迎えた本能寺の変です。
飾り山のうち、最も東に位置する千代町に飾られている千代流。 表標題は、徳川家康を支え「四天王」と呼ばれた酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直政の4人の武将の勇姿を題材にしたもの。 見送りは、熊本地震の被害からの復興への応援として、山鹿の灯篭踊りや阿蘇神社、そして上の方にはくまモンなど、熊本をテーマにしたものです。
博多駅から大博通りを北に進んだ右側に飾られている東流。 表標題は黒田長政の虎退治の勇姿を、見送り標題は、博多祇園山笠がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを記念して、博多の文化を描いたもの。
今年のテーマは、東流の飾り山から南東方向の近くに位置する聖福寺で、江戸時代に住職を努め「博多の仙高ウん」として地元で親しまれている仙豪`梵を描いたもの。 東京の出光美術館に所蔵されている「○△□図」は、この仙腰a尚が残した代表的なものですが、この舁き山は「ペン(筆)は剣よりも強し」を筆を持つ仙腰a尚の姿で表現しているとのことです。
「走る飾り山」の定番・八番山笠の上川端通。 今年の表標題は、源義仲と平維盛の倶利伽羅峠の戦いを描いたもの。 そして見送り標題は、この夏期待の新作映画(?)、人気のスターウォーズの最新作を題材にしています。
人気のショッピング・スポットのキャナルシティの飾り山は、歌舞伎の演目がテーマになることが多いようです。 今年の表標題は歌舞伎十八番の「助六」から、七代目市川團十郎が演じた「助六由縁江戸桜」。 見送りはぶんぶく茶釜をテーマにしたもので、上の方にタヌキがいます。
八番山笠の上川端通と同じ通りに飾られている川端中央街の飾り山。 表は大河ドラマ「おんな城主直虎」をテーマにしたしたもの。 例年、大河ドラマはどこかの流の飾り山でモチーフに用いられます。 見送りは、地元の放送局(ラジオ・テレビ兼営局)であるKBC九州朝日放送のローカル朝番組を飾り山で表現したものです。
今年のソラリアの飾り山は、表・見送りともに長い標題が特徴です。 表標題は京の五条の橋の上、牛若丸と弁慶の初対面の図。 見送りは秀吉の豪華絢爛な花見の様子。 共に京都が舞台です。
買い物客で賑わう新天町の真ん中に位置する飾り山。 表標題は、源義経が弁慶と共に平泉を目指す途中で通る安宅関における涙の逃避行を描く。 見送りは、新天町の「定番」、おとなにも子どもにも人気のサザエさん。 取材した日は、この飾り山の前で太鼓を演奏するイベントが開催されていました。
福岡の中心地・中央区天神1丁目の交差点と、東流の飾り山がある博多区呉服町の間の明治通り沿いに飾られている飾り山。 表標題は、足利尊氏・足利直義兄弟と新田義貞・楠木正成が衝突した湊川の戦いを描いたもの。 見送りは、こちらも博多祇園山笠がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを、花咲爺さんが盛大に祝っています。
地元の新聞・西日本新聞のお膝元。 今年は西日本新聞創刊140周年を記念して、博多祇園山笠のユネスコ無形文化遺産への登録を七福神で祝い、二人の博多人形師の「競演」で表現した。
最も南に位置する渡辺通一丁目の飾り山。 表標題は、大河ドラマの井伊直虎が、関ケ原の合戦で活躍する養子の直政の奮闘振りを見守る図。 見送りは、ここも定番、子ども達に人気のアンパンマンとその仲間が祭を盛り上げる。
福岡ソフトバンクホークスの本拠地、ヤフオクドームの前の飾り山。 表標題はここの定番、ホークスの選手達の活躍ぶりを描いたもの。 今年のペナントレースでの王座奪還を目指したい。 見送りは、後に福岡県太刀洗川町の語源になった、菊池武光が筑後川の合戦の後に太刀を川で洗う図。
博多の玄関口、博多駅の博多口に鎮座する飾り山。 表標題は、源平合戦のひとつ、一の谷の合戦の名場面をテーマにしたもの。 見送りは、ユネスコ無形文化遺産に登録された博多祇園山笠をはじめ、戸畑祇園大山笠、日田祇園の曳山、唐津くんちの曳山、八代妙見祭の神幸行事の5つの祭の図。
他の飾り山は15日には崩されますが、ここ博多総鎮守・櫛田神社の飾り山は年中見ることができます。 今年の表標題は、スサノオノミコトが八岐大蛇を退治して天の叢雲の剣を手に入れる図。 見送りは、関ケ原の合戦における黒田長政の勇姿を描いたもの。
最終日の15日は、飾り山とは別に造られる7つの舁き山と、八番山の上川端通の飾り山を櫛田神社に奉納(=「櫛田入り」と言います)します。
この時に櫛田神社の境内にある、赤い清道旗の周りを一回りするのですが、これが素晴らしい。 この櫛田入りを間近で見るには、仮説の桟敷席から見ることになるのですが、この桟敷席が入手困難!
一度、この桟敷席から櫛田入りを見てみたいものです。 取材の日には既に清道旗と桟敷席はでき上がっていました。 博多祇園山笠は今年で 776年目。 15日(土)朝の追い山で無事に全日程を終了しました。 今年は追い山が土曜日だったので取材に行きたかったのですが、残念ながら別件が入ったため取材できませんでした。 従って「例年」どおり、手抜きの記事になってしまいスミマセン。 それでは、本サイトではお馴染みの博多祇園山笠の総括をしましょう。
今年も全コースのタイムでは、千代流と大黒流、そして東流が30分を切る素晴らしいタイムを出しました。 追い山は「タイムレース」というわけではありませんが、流の結束の一つの目安になるのではないでしょうか。 これまでの記録に興味がある方は 2016年の追い山のタイム や 2015年の追い山のタイム などをご覧ください。 九州南部は梅雨明け宣言が出ましたが、九州北部はまだ梅雨明け宣言は出ていません。 しかし、ここ数日は真夏のような日差しです。 山笠も終わり、博多は本格的な夏を迎えているようです。(1) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年 7月30日 (日) |
【久し振りに最近の読書】 7月も終わり。 いつの間にか梅雨が明けて、ここのところは夏らしい天候が続いています。 久し振りにマジメに読書しました。 この本は1日で一気に読み上げましたので、ご紹介しましょう。 この3月 以来の「本ネタ」です。
何故ビックリしたかといえば、2016年11月に東北を訪問した時 には、この日本製紙石巻工場も訪問して、震災当時から工場の操業再開までの生々しいお話を聞いていたのでした。 内容は、現地で聞いたことがベースでしたが、加えて表に出ないようなドキュメントも記されており、工場の復興のみならす日本製紙野球部の数奇な運命や、マスコミは報道しないような地元石巻での出来事などの記述もありました。 更に本書の特筆すべきことは、私たちが日頃何気なく読んでいる本の紙がどこで造られているのか? について丁寧に解説されており、世界でも指折りの「出版大国」である私たちが、如何に恵まれているかということを、あらためて実感できる作品でした。 この本にも、本文は石巻工場で 1970年に稼動した8号抄紙機(通称:8号マシン)で造られた文庫用紙が使われています。 本書は新書版で 2014年6月に早川書房から刊行されており、この2月に文庫化(ハヤカワ文庫NF:NF486)されたものです。 新書版を知ってたら、もっと早く読んでましたねぇ。 東日本大震災から如何に復興したのか、リーダーの決断とは何か、など考える要素もありました。 興味ある方は一度手にとってみてください。(2) |
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