こちらタイでは,この14日(月)は祝日でした。 本格的な雨季入りに伴い,出家している僧が寺に籠もる「入安居」という仏教の祝日でした。 雨季になると,
地盤も悪くなり,下手に出歩くと小さな動物などを殺生してしまうので,僧は寺に籠もるようにという大乗仏教の教えだそうです。
この休みを利用して,タイ東部,カンボディアそしてラオス国境付近を巡ってきました。 メインはタイ東部の街,ウボン・ラチャターニーで開催されるタイ三大祭の一つの蝋燭祭(他の二つは,
スリンの象祭とスコータイのロイクラトーン祭)だったのですが,その前に行ったタイ東部,カンボディア領内のクメール寺院の遺跡,カオ・プラ・ヴィハーンからの雄大な眺めには心が洗われました。
上の写真は東方面を望んでいますが,左の山の上まではタイ領です。 そして,絶壁の下に拡がる平原がカンボディア領なのです。 こんなの,何の説明も無ければ「あぁ,雄大な景色だなぁ」と,
見入ってしまうのですが,哀しいかな我々人間が勝手に国境線を引いてしまったのです。
このカオ・プラ・ヴィハーンは,絶壁の上に聳えているにも関わらず,国際条約でカンボディア領になっています。 しかし,ここへは地形の制約上,タイ側からしか入れません。 そしてここに入るには,
パスポートこそ必要ない〜ここでカンボディア側へ入っても,絶壁を飛び降りない限り,カンボディア領内へは入れない!〜のですが一応の国境を越え,「越境料」を徴収されるのです。 また,
タイ側は国立公園になっていて,外国人は一律 200バーツの入場料を取られます。 国境があるばかりに何とも高くつくものです。
しかし,この国境云々を抜きにすれば,このカオ・プラ・ヴィハーンは,クメール文化・歴史の貴重な資料であり,またこの地の眼下に拡がるクメールの雄大な平原は,
我々日本人に取っては必見の価値があります。 アメリカ・コロラド州南部のメサ・ヴェルデ国立公園を思い出す,絶景でした。