August 2003

2003年8月7日(木)

タイ東部チョンメグのラオス国境
 昨日は広島の原爆記念日でしたね。 そんなことをちゃんと思い出せるのは,やっぱり日本人だからかなぁ。 こちらの人にそういう話をすると, 知っている人もいました。 土曜日は長崎,そして15日は終戦記念日,58回目ですね。

 ちょっとバタバタしています。 というのは,明日から中国の西安に行くので,その準備に追われているのです。 実はこれ,4月の日記に書いていた一件が「延期」となって, 明日からの出発となった次第。 年中「夏」のタイで,日本に倣い(?!)夏休みを貰って行くことにしました。

 兵馬俑,碑林博物館,ちょっと足を伸ばして洛陽の龍門と,見所はいろいろ,楽しみです。 台湾は行ったことがありますが,中国本土は初めて。 少しばかり中国語も囓ったことはありますが,実践では使い物にならないでしょうなぁ。

 ということで,我去西安,再見至回曼谷!(「西安に行ってきます,バンコクに戻ってくるまでさようなら」正しいかな?)


2003年8月21日(木)


西安中心部・鐘楼の夜景

 怒濤のような10日間が終わりました。 先の日記のとおり,8日(金)から中国の西安に行き,13日(火)深夜,無事にバンコクに帰ってきました。 実は, その翌日から今度は日本に一時帰国となり,1晩バンコクで眠ったら翌日は再び空港国際線ターミナルへ。 これまた深夜発の日本行きの便で夜を明かした次第です。

 西安は,さすが中国大陸のかつての都,今回ほど「あぁ,歴史をもっと勉強しておけばよかったぁ」と思った旅はありませんでした。 写真はデジカメですが,1000枚以上(まぁ, 1〜2割は「ボツ」でしょうけど)は撮ったので,あとの整理を考えるとゾッとしますが,これもそのうち〜どれもこれも「そのうち」ですなぁ〜どこかでご紹介しましょう。

 日本の日程は厳しかったよぉ! 14日(水)深夜:バンコク発,機中泊,15日(金)朝:日本着,カミはんの実家へ,16日(土)午後:自分の実家へ,17日(日)午後:職場所在地へ, 18日(月):職場に出頭,おエライさんにお仕事のご報告,その夜は宴会,3時まで「連続給油」,19日(火):日本→バンコク,というハードスケジュールを何とかこなしました。 フゥ〜。

 家族は14日(水)に一緒に日本に帰り,月末まで日本滞在です。 さてと,ここ数日はちょっと「休養日」としましょうか,いえ,ちゃんと職場には出かけますよ。


2003年8月26日(火)


東南アジアの大河メコン川の向こうに沈む夕陽

 バンコクに戻って1週間,やっと「元のペース」に復帰しつつあります。 いやぁ,2年ぶりの日本,自分ではあまり変化を感じなかったつもりですが, こちらに戻ってきてみると,良きも悪しきも,やっぱり日本のユニークさを今更ながらに実感しています。 今日は外から見た日本を少しばかりご紹介しましょう。

 日本に帰って「やっぱりねぇ」と思ったのは,自動販売機の異常なほどの多さです。 犬じゃなくても,人も歩けば自動販売機には容易に辿り着けます。 アメリカでも,タイでも, そしてこれまでに訪れた国々でも,日本ほど自動販売機が「林立」しているところはありませんでした。 更に今更ながらに驚くべき事は, 「メニューの多さ」です。 缶コーヒーひとつとっても,ブラック,ビター,アメリカン,深炒り,etc, etc,凄いですねぇ。 裏返せば,日本人の繊細さの表現のひとつなのかもしれませんね。  モノは考えようかな。

 もうひとつ「感心した」のは,時間への拘り。 日本で列車に乗りましたが,定刻より6分遅れただけで「まだかねぇ,遅いねぇ...」という声があちこちで聞かれました。 まぁ, "On Time" が当たり前の日本でしょうけど,そこ6分遅れて人生にどんな影響があるのだろうかと,ふと疑問に思った次第。 まぁ,次の列車への乗換がギリギリという人も居たかもしれませんが, 私の感覚では,余裕が持てないプランを組んだアナタのリスク管理がどうなのか,お伺いしたいところですが。 「他力本願」的な国民性の一端を垣間見た思いでした。

 と,いろいろ書いてもやっぱり自分は日本人。 温泉と畳は,今まで行った世界のどこにも日本以上のものは見つけ出せませんね。 久しぶりの日本の感想でした。


2003年8月27日(水)


バンコクでも綺麗に見えた火星

 昨日は日本の感想何ぞをのほほんと書いてましたが,世間では6万年ぶりの火星大接近に湧いているんですねぇ。 それならと, 夜空を見上げると... ありました,ありました。 一際明るく輝く火星が東の空に浮かんでいます。

 6万年ぶりとあれば,写真に収めないわけにはいかない。 早速いつものカメラを持ち出し,ベランダに固定し(たつもりで)シャッターを押す。  デジカメのLCDに映る画面は,まぁまぁの出来。 それならと一通り写し終えてパソコンに転送,画像ソフトで開くと,パソコンの画面に出てくる画像はどれも手振ればかり。  シャッタースピードが1秒もあれば,振れない方がオカシイほどですね。

 やっぱ,素人に即興はムリかと,納戸から三脚を取り出しセット。 シャッターもリモコンで切るようにして手振れをシャットアウト! 後は, マニュアルモードにし,シャッタ−スピードを変えたり,絞りをいろいろとセットしてみたりして漸く撮れたのがこの写真です。 望遠はデジタル望遠にして, 目一杯拡大しました。 プラネタリウムの如く,名前は付いてませんが,バンコクの火星は日本と較べて如何でしょうか?


2003年8月31日(日)


西安で入手した古端渓の硯

 8月も今日で終わり。 今年の日本は概して冷夏だったようですが,9月の「残暑」ってのもあるんでしょうか?

 日本に長らく滞在していた家族も昨日,予定どおり戻ってきました。  冷夏といえども,蒸し暑い日本の夏よりはバンコクの方が居心地がいいと言っています。  「常夏」のバンコクは,いつも「暑い」と思われる向きも多いかと思いますが,本当に暑いのは3〜5月(ゴールデンウィークは最悪ですよ!)です。  7〜8月も昼間の陽光の下では暑く,温度計の数字も確かに高いのですが,日本より湿度が低いので日陰ではむしろ涼しささえ感じます。  雨季特有のスコール性の雨が自然の「打ち水」の役割を果たしてくれるので,夜などは肌寒いほどで,日本よりも心地よく過ごせます。

 さて,この日記にも書いた西安への旅の件で,本ページの熱心な読者の方からメイルを貰い,『何か面白い買い物はなかったか?』とのご質問を戴きました。  今日はその中の逸品をご紹介しましょう。

 西安にある「碑林」というところは,書道のメッカのようなところで,歴代の能筆家の手による書跡が石碑の形で,林の如く残されているのです。 書道をやってる人なら一度は訪れたいところ。  不肖,私も少しばかり筆を握っています〜今は殆ど機会がありませんが〜ので,碑林は今回の旅でも最も期待したところでした。

 で,そんな「書道のメッカ」のような場所があれば,その周りに書道用品を扱う店が集まること(文房街がある)は自然の摂理でしょう。 この業界では書道用品一般を指して「文房」と呼び,中でも硯,筆,紙,墨の4つを「文房四宝」と称しています。  私もご多分に漏れず家族を引き連れ文房街を散策して四宝を見て回り,あれこれと悩んだあげく薄い財布と相談して手に入れたのがこの硯です。 中国の硯ではNo.1ブランドの「端渓」(たんけい),その中でもマニアの中では人気が高い古端渓(老坑)のものですが, どうやらこれは,古端渓の中でも比較的新しい宋坑(宋の時代に開かれた坑)のもののようです。 この買い物が得をしたのか掴まされたのかは定かではありませんが,自分では(例え「掴まされた」ものでも)満足した買い物でした。