Report 33b

タイ鉄道入門ヲタク
〜 実践編:メークロン線道中記 その1 〜

メークロン東線列車の行先表示板

 2004年4月25日の日曜日,バンコクで長く過ごしたアパートから引越した翌日,このサイトのタイ鉄道入門〜ソフト編〜のページを編集する時に「発見」したメークロン線の旅に挑戦してみました。  今回の旅はちょっとディープなものとなりましたので,日本語をよく知っている方に同行してもらいました。

 このメークロン線の旅,Websiteであちこち探してみましたが,あまり多くは紹介されてないようです。 バンコク周辺では「究極」の鉄道の旅と言っても過言ではないでしょう。 これからこの路線に挑戦してみようという方に, 少しばかり役に立つ情報もお知らせしましょう。

 まずは本邦初公開(?!),メークロン線の東線・西線連絡列車時刻表(2004年4月現在)です。 このメークロン線,ここ数年時刻はあまり変わってないようですが,不意の変更〜実は今回もコレに当たってしまった!〜もあるので, 事前にWongwianyai駅で運行ダイヤをチェックされることをお勧めします。 こちらに紹介しているとおりターチン川を挟んで東線と西線に分かれており,船に乗る必要がありますので西の果ての Maeklong まで行くのであれば, 乗り換えのタイミングが重要です。

メークロン東線・西線連絡時刻表 (2004年4月現在)
メークロン東線メークロン西線メークロン東線
WongwianyaiMahachaiBanlaemMaeklongMaeklongBanlaemMahachaiWongwianyai
04:30 -------> 05:23
05:20 -------> 06:16
05:55 -------> 06:53
06:25 -------> 07:28
07:00 -------> 07:55
05:30 -------> 06:2306:20 ---> 07:20
07:30 ---> 08:3008:00 -------> 09:03
06:25 -------> 07:27
07:00 -------> 07:5809:35 -------> 10:31
07:40 -------> 08:3909:00 ---> 10:00
08:35 -------> 09:2810:40 -------> 11:38
10:10 ---> 11:10
09:40 -------> 10:36
10:40 -------> 11:3911:45 -------> 12:43
12:15 -------> 13:1011:30 ---> 12:30
13:30 ---> 14:3013:15 -------> 14:13
13:20 -------> 14:1514:25 -------> 15:18
14:25 -------> 15:2215:25 -------> 16:19
16:00 -------> 16:55
16:30 -------> 17:28
15:25 -------> 16:2715:30 ---> 16:30
16:40 ---> 17:4017:35 -------> 18:25
16:30 -------> 17:26
17:05 -------> 18:0218:10 -------> 19:01
17:35 -------> 18:3619:00 -------> 19:59
18:35 -------> 19:30
19:10 -------> 20:04
20:10 -------> 21:00

 では,08:35 の Mahachai行に乗るべく,Wongwainyai駅に行きましょう。 ここへ行くには,BTSのシーロム線で西の終点の Saphan Taksin(タクシン橋)の1つ手前の Surasak駅で降り,タクシーを拾って行くのが最も手軽な方法。 終点まで行ってタクシーに乗ると,橋を渡るために引き返す必要があるので, 1つ手前の方が便利です。


思わず通り過ぎそうになるWonwainyai駅

サタニィ・ロッファイ・ウォンウェンヤイ
(Wonwainyai駅)と書いてある立て看板

 「パイ・サタニィ・ロッファイ・ウォンウェンヤイ(Wonwainyai駅まで)」とタクシーの運転手に告げると「カップ(判りました)」の返事。 う〜ん,1発で通じるようになった! 3年もいれば少しは通じないと恥ずかしいですね。  日曜の朝なので渋滞もなく,チャオプラヤ川に架かるタクシン橋を渡って 10分ほどで Wongwainyai駅に到着。 え〜っ,ここが駅?って感じ。

 駅前にはちゃんとタイ語で「Wonwainyai駅」という立て看板がある〜タイ語もカタコトでちっとばかりは読めるようになりました〜ので間違いない。 駅舎に書いてるのでなく,立て看板ってのが風流ですなぁ。 これがホントウに首都の一駅なの?

 中に入っていくと,駅と言うより「市場」の雰囲気。 その中に列車時刻表と切符売り場がありました。 終点の Mahachai までは一人 10バーツ(=約30円)。 冷房無しとはいえ,これで1時間ほどのローカル列車の旅ができるのです。  なんだかワクワク。 同行の日本語の達人は朝食を摂ってなかったので,その辺の屋台でインスタント麺で作ったタイ風焼きそば,15バーツ(=約45円)也を買い込んで列車に乗ります。 暑くなりそうなので, 私も水を買い求めて Mahachai行きのディーゼルカーに乗り込みました。

左:Wonwainyai駅の切符売り場, 右:いざ出発!市場で賑わう Wonwainyai駅構内

  時計が8時30分を回ろうとする頃,何の前触れもなく,扉が閉まることもなく(ホントォ〜です!),列車はエンジンの唸りと共に動き出しました。 でも,日本の列車のようにスピードが出ない。  ブル〜ン,ブル〜ンと空吹かしのようにしてユックリ進んでいく... と外を見ると,ナント!線路間際の物売りに「そこのけ,そこのけ列車が通る!」をやっているのです。 スゴイですね,コレがタイですよ,バンコクなのですよ!

左:列車が通る時だけ避けてる物売りさん達(売り物は殆ど列車の下敷き!)
右:程良く席が埋まっている Mahachai行の列車内


草原も拡がるバンコク郊外の風景

 列車は疾走とはいえないまでも,延びた鉄路の上を着実に西進しています。 座席は硬いプラスティック,中国語で言う「硬座車」そのもの。 冷房はないものの天井に下がった扇風機も(珍しく?!)快調!  窓から吹き込む風も心地よく,連れの日本語達人氏もついウツラウツラ...。

 列車の席は Wongwainyai駅を出る時から程良く埋まってましたが,駅に停まる毎にお客が少しずつ増えていきます。 でもタイ人から見る「外国人」は我々の他には居ない模様。 Mahachai駅に着く頃には座れないお客もかなりの数に。  まぁどこかの非常識的なラッシュに較べれば,冷房が無いことを差し引いてもこちらの方が遙かに快適です。 さて,この続きは次のページでご覧下さい。(2004年4月記)

左:プラスティックむき出しの「硬座」,右:ご機嫌麗しい天井の扇風機