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タイと世界の繋がり 〜アジア圏外との関係〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
タクシー,BTS,バス,水上交通,そして鉄道とタイの交通に関しては,ほぼ「網羅」したと自負〜いや,単なる自己満足(笑)〜しているこのサイト,ここでは航空にスポットを当てて,
タイと世界との繋がりを「分析」してみましょう。 まぁ分析といっても大それたものではなく,バンコクと航空路を持っている都市へのフライト頻度を調べただけではありますが,
それでもタイが世界のどんな国や地域と,どの程度の繋がりがあるのか? ということが判る指標のひとつになるのではないでしょうか。 まずは世界全般に眼を向けて,各地域とのフライト数を分析してみます。 バンコクと世界中の各都市は各地での乗り換えによりコネクト可能ですが,数え上げればキリが無いので, このページでの分析対象は『直行便』のみとし,週当たりのフライト数をカウントすることにします。
タイは南北アメリカに対しては地球の裏側に位置するので,直行便はありません。 アメリカ東海岸(Boston, New York, Washington DC など)は主にヨーロッパ経由(乗り換え)で,西海岸(Seattle, San Francisco, Los Angeles など)は主に日本や台湾,韓国経由(経由便または乗り換え)で結ばれています。 上の表から,東南アジア以外ではヨーロッパと東アジアとの繋がりが強いことが窺えるようです。 また,地理的な関係からアフリカとの直行便があることは特筆すべきことです。 |
【ヨーロッパ方面】
オーストラリアの「寄り道」便を除けば,ドイツ向けが30往復とダントツです。 実際,タイでは変電機器や鉄道車両などの重電機器,携帯電話,それに自動車などはドイツ系の企業が大きなシェアを持っており,
科学技術一般はドイツから伝わったものが多いようです。 タイの電気の周波数が,ヨーロッパと同じ50ヘルツ=ちなみに日本は東日本が50ヘルツ,西日本がアメリカと同じ60ヘルツ=であることや,
テレビの放送方式が多くのヨーロッパの国々と同じPAL方式=日本はアメリカと同じNTSC方式=であることなどが,タイとヨーロッパが歴史的に強い繋がりを持っていることを象徴しています。 |
【中近東方面】 バンコクの街にはアラブ系の人たちも沢山住んでいます。 しかし中近東とタイの関係は,それだけではなさそうです。 中近東向けは,バンコク発着便数の 5% 程度です。
米や果物,野菜や肉類など農産物が豊富なタイも,石油ばかりは国内では殆ど産出しないので,日本と同様輸入に頼っています。 石油といえば中近東,
タイの原油輸入額の実に7割近くが中近東からのもの(2000年の統計による)です。 また,タイの人たちの中には中近東方面に出稼ぎに行っている人も少なくないと言われています。
右の表で,バンコク向けとバンコク発の便数が違うものがあります。 これは同じ航空会社の飛行機が,往路は直行便であっても復路がどこかを経由する便であるため,復路便をカウントしていないからです。
他の地域のフライト内訳でも同様なケースがあるので,ご注意下さい。
中近東との繋がりは,タイの地理的位置によることはもとより,国情や宗教の関係でアルコールや楽しみが規制されているこれらの国の人たちが,安らぎを求めてバンコクにやって来るというニーズによるものもあります。
中近東諸国駐在の多くの日本人は,バンコクの街に定期的に買い物に来るのが常識とか。 国柄が変われば手に入るものも限られるので,比較的物価が安く,より日本に近いアジアのバンコクで食糧などを調達するという訳です。 |
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【アフリカ方面】
ここで興味深い事実を発見! 週2便 Cairo からのエジプト航空はバンコクを経て,フィリピンの Manila 経由で成田まで乗り入れています。 また,Nairobi からのケニア航空は全て香港まで,Addis Ababa とバンコクを結んでいるエチオピア航空も
なんとバンコクから週に2便は香港に,週に1便は中国は広東省・広州に足を伸ばしているのです。 えぇ〜! エチオピアと香港・広州って,どんな繋がりがあるの? どなたか教えて下さい。
バンコクからは東アフリカ方面向けのフライトが充実しています。 | 【オセアニア方面】 オセアニア方面は,唯一オーストラリアだけが直行便で結ばれています。 この他にニュージーランドの Auckland にはタイ航空が Sydney または Melborne 経由のフライトを運行しています。
ヨーロッパの項でも書きましたが,右のフライトのうち Sydney とを結ぶ14往復は BA/QF(イギリスの British Airways とオーストラリアの Quantas)の共同運行便で,
Sydney と London を結ぶ便がバンコクに寄港して運行されているものです。
バンコク向けがバンコク発より便数が少ないのは,バンコク向けのフライトの中には Phuket 経由のものや,オーストラリア国内の他の都市を経由して運行(例:Sydney→Melborne→bangkokなど)されているものがあるからです。
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バンコクとアジア圏外の関係を上記のように分析してみました。 日本と世界の繋がりを同じように分析して比較すると,
世界の中のそれぞれの国の立場がおぼろげにも見えるのかもしれません。 次のページではアジア圏内の繋がりを分析してみましょう。 (2004年4月記)
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