Report 36a | ||||||||||
不屈の白髪将官 バンコク在住・橋田信介さん | ||||||||||
2003年3月,アメリカを主体とする連合軍はイラクに進撃しました。 皆さんはテレビや新聞で,イラク戦争最中のバグダッドの映像を毎日のように見たことと思います。 今でも毎日のようにアメリカの兵士などが狙われ,自衛隊も派遣され...,それでも毎日のようにイラクの映像を見ることができます。 あの映像って,誰が撮ってるんでしょう? 戦闘が断続的に続く危険な戦場の中で,正しい戦況や現地の人々の様子を世界の人たちに伝達する,それが橋田さんの本職です。 橋田さんはこの年末年始のイラクの取材から日本に戻られ, 今年の1月にいくつかのテレビに出演されています。 「このおじさん,見たことあるなぁ...」というかたも少なくないのでは? 橋田さんは 1942年,山口県宇部市の生まれ。 今 61歳になられますが,現役バリバリの戦場カメラマン。 これまでベトナム戦争を皮切りに,カンボディア内戦,湾岸戦争, ボスニア内戦... 世界各地の数多くの争乱の状況を世界の人たちに伝えてきた歴戦の勇士です。 現在ではバンコクに居を構え(ここの編集部から見える距離のところです),昨年勃発して今も先が見えないイラク戦争を取材されています。 | ||||||||||
編集部では橋田さんのお宅を訪ねて,歴史の1ページに残るイラクの状況をお伺いしました。
編「こんにちはぁ,おもしろタイリポート編集部で〜す。 今日はイラクのお話を聞かせて下さい。」 なんだなんだ! 眼を細めた笑顔からこのセリフ,とてもこの前までイラクで取材されてた現役の戦場カメラマンとは思えません。 なんか,その辺の人のいい,ロマンスグレイのおじさんです。 画面ではイラクで撮影した「ナマの映像」を流してもらい,この時はどうだったとか,こうだったとか,面白可笑しく解説してもらいましたが,ホントウは生きるか死ぬかの経験をされたはずです。 いろいろとお話を伺っていると,まぁ〜出るは出るは古今東西のいろんな話。 橋田さんのこれまでの取材のお話のみならず,歴史,文化,地理,宗教,言語,映画,小説... 話は尽きません。 「イスラム教を知るには,この本がいい!」とか, 「中東の生活信条は,この映画を見れば判る!」とか。 テーブルの上には次々と「推薦書」や「推薦DVD」が並びます。 歴戦の勇士には,こういう教養を戦場の現場で応用することも必要なのです。 で,「現地で撮った映像って,どうやって日本に送るんですか?」と,編集部が得意とする技術面のことを尋ねてみると,鳩に持たせてとか,ノロシを上げてとか,萩焼の大皿を空に向けてとか, どうも要領を得ず,この関係の話になるとボリュームが下がりました。 この辺のことも「この本」でご覧下さい。 | ||||||||||
こちらはちょっとお堅い感じですが,橋田さんのそれまでの経歴がドキュメンタリータッチで描かれています。 「橋田文学」の入門として,まず上記の「戦場カメラマンが書いた イラクの中心で、バカとさけぶ」を読まれた上で, こちらを読まれることをオススメします。 橋田さんに,今後の活動についてお尋ねしました。 「ど〜しようかなぁ? もう引退しようかなぁ,中国の西安なんて行ってみようかなぁ? またどっかで戦争無いかなぁ?」と,不屈の白髪将官は相変わらず眼を細めていました。(2004年2月記) とか何とか言いながらも,実はまたイラクに行かれたそうですよ。(2004年3月追記)
橋田信介さんは2004年5月27日,イラクの首都バグダッド南方のマハムディアで襲撃され,61年の生涯を終えられました。 橋田さんの追悼のページをこちらにアップしました。(2004年6月追記) |