Report 47c

国境特集 (3)  チョーン・メック
 この記事は,編集部がここを取材した 2003年7月 及び 2004年5月 時点でのことを基に書いていますので,現在でも同じ状況とは限りません。 チョーン・メークの国境通過にあたっては, 外国人の国境越えが可能か否か,どこでどのような書類や手続きが必要かなどは,必ず自己責任で調査して下さい。

タイ最東端に近いチョーン・メック=ワンタオ国境のタイ側出入国事務所

 タイ東部,バンコクから東へ 600km ほど離れたウボン・ラチャターニーの街から,更に 80kmのところに,ラオスへの国境として開かれているチョーン・メックの町があります。 国境特集の第3弾は,ラオスへの唯一の陸路国境をご紹介しましょう。 ラオス側はチャンパーサック県のワンタオという町で,ラオス南部の都市パクセー,ベトナム中部の都市ダナンなどへのルートとして使われています。  国境の両側はタイ側,ラオス側共に市場があります。 タイ側の市場では,特に珍しいモノは見当たりませんでした。


タイ国内のチョーン・メックへの道路標識
 地図を見て戴ければわかりますが,タイ国内でも東部のウボン・ラチャターニー地方の最寄りの港(海)は,タイ国内よりもベトナム中部の方が近くにあります。 タイだったらバンコクの東のチョンブリー辺りが最も近いでしょうけど, そこまでの距離は直線でも 500km ほど。 一方ベトナムのダナンまでは 400km足らずです。

 タイは東南アジアの中でも経済に強い影響を及ぼしていますが,同じタイでも東部のこの辺りまで来ると,一部で中国やベトナムの物資が出回っており,東南アジアの経済圏を肌で実感できます。

 タイとラオスとは,このチョーン・メック=ワンタオ国境の他に,タイ北部・ゴールデントライアングルの東にあるチェンコーン=ファイサーイ国境,最も賑わっているタイ東北部のノンカーイ=ヴィエンチェン国境, タイ東部では北からナコーン・パノム=ターケーク国境,ムクダハーン=サワンナケート国境の4か所が開かれており,外国人もこの国境を越えて公式に出入国できます。 これら5つの国境のうち,陸路で結ばれているのはここチョーン・メック=ワンタオ国境だけで, 残りの4か所は全て東南アジアの大河:メコン川を境にしているため,橋または船による国境越えとなります。

 チョーン・メックでは,国境のイミグレーション・オフィスでラオス国内の市場を見物してタイ側に帰ってくる旨伝えると,ラオスへの「入国整理券」のようなもの(全てラオス語で書かれている)を貰って国境を越えました。 パスポートチェックは確か無かったと思います。  恐らくここから正式にラオスに入国するのであれば,入国ビザやパスポートのチェックがなされるものと思われます。 編集部では確認していませんので,この国境を越えて「公式に」出入国するのであれば, 自己責任において事前に両国の大使館や入国管理事務所などから正しい情報を得て下さい。


何とものんびりした国境(左) ラオスへの「入国整理券」 6:00〜18:00 しか入れない模様(右)

 ラオスへの「入国整理券」を片手に,ラオスに入国しましょう。 堂々と入っているので,決して「潜入」ではありません(笑)。 暫く歩いていくと,道路の両側に露店が集まって市場が栄えています。  なんだかアヤシゲな雰囲気? ちょっと覗いてみましょう。


左:ワンタオの市場はこんな感じ 右:なんだか怪しいものがイッパイ売られている


左:蜥蜴も縛られて売られていた 右:左の新鮮な蜥蜴をその場で切り身にして・・・ドヒャー!

左上:ラオスから走ってきた古びたトレーラー
左下:そのトレーラーのエンジンにはロシア(キリル)文字が! これは旧ロシア製か?
右上:ラオスからリヤカーで続々と持ち込まれるキャベツ 運搬は人海戦術!


左:国境なのでこのような免税ショップも「一応」存在しています
右:2002年6月のラオス旅行で見つけたミステリアスな飲み物
COSCO COLA の本物がこれ! でも試飲はしませんでした


タイに戻って一安心という感じ?!

 なんだかスゴイ世界ですねぇ。 市場では蜥蜴のみならず,蛙やムササビのような動物も,恐らく食用としてでしょうけど生きたまま売られていましたねぇ。 この辺りでは,冷蔵庫などはまだ普及していませんので, 「食肉」関係は生きたまま売買するってのが,最も新鮮で間違いないようです。 こういうスゴイ世界に,何を隠そうページの最初に書いたとおり2回も行ってしまいました。 2回目はタイの知人に案内して連れて行って貰ったもので, 折角のご厚意にお断りできませんでしたので・・・。 特定の興味が無ければ,ここは1度取材すれば十分です(笑)。

 ワンタオの市場は興味の対象にも寄りますが,1〜2時間もあれば一通り見ることができます。 近代国家の日本からおいでになった皆さんには,或いはチョイと刺激的かもしれません。 ここも旅行者にとってはハードかもしれませんが, タイに滞在の方でディープな思い出をという向きには,出向かれては如何でしょうか? (2005年11月記)