朝の陽光を境内の向こうに見る西側に来ました。 この辺は日陰になるので,写真が全体的に暗いのですがご容赦下さい。
境内の西側にある第三周壁西塔門から少し足を踏み出して振り返ってみると,そこにも素晴らしい彫刻が見られます。 ダイナミックに刻まれているのは,ラーマヤーナの物語の一幕,
猿王スグリーヴァとその兄ヴァーリンの戦いの情景です。
ラーマヤーナとは,インド各地に残るラーマ王子の伝説をまとめた叙事詩で,紀元前2世紀〜紀元後2世紀ころに成立したと言われています。
このラーマ王子は,ヒンズー教の神様であるヴィシュヌ神の化身とも言われており,タイの国王のお名前である「ラーマ(現在のプミポン国王はラーマ九世)」も,
このラーマ王子から戴いたものだそうです。 ラーマヤーナの物語は東南アジアでは広く「流通」しており,タイやカンボディアでもさまざまな物語で残っています。
なんと,この叙事詩は日本にも伝わっており,皆さんご存知の桃太郎伝説も,元はこのラーマヤーナの物語から伝わったとのことです。
閑話休題,それでは少し暗いのですが,境内の西から北側の精緻をご覧戴きましょう。