July 2014 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月4日 (金) |
【博多祇園山笠2014始動!】
街には「博多祇園山笠」の銘が入った提灯が下がり、山笠に携わる男たちの法被姿を見るようになりました。 左の写真は天神の繁華街、新天町のアーケードに飾られている提灯です。 今年も、東は県庁近くの千代町から、西はホークスの本居地である福岡ヤフオクドームの前まで、博多の街の至るところに、十四本の飾り山がお目見えしています。 昨年に劣ることなく、本年も編集部の総力を結集して、博多祇園山笠の取材に精力を注いでいきます。 今年の飾り山は、順不同で紹介していくことにしましょう。 今年はそれぞれの山を作られた人形師の皆さまに敬意を表して、敬称略ではありますが、人形師さんのお名前も載せることにします。
今年は、九番山笠:渡辺通一丁目の飾り山からご紹介しましょう。 この飾り山の見送り(後ろ側)の「アニメ名探偵コナン」は、もはや定着の感があります。 最近、一部ではコナンの性能低下(=1話で事件を解決できない)が指摘されており、コナンの「老朽化」を危惧する声も聞かれるようです(笑)。
天神のソラリアプラザの飾り山、今年の見送りには太宰府の歌会を表現した標題です。 「道真」の文字が入る標題は結構眼にしますが、「太宰府」の文字が入る標題は最近は無かったようです。(1) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月5日 (土) |
【飾り山:天神一丁目+博多駅】 今日の福岡は、梅雨の合間の洗濯日和でした。 明日からはまた雨の予報が出ています。 今年は飾り山をランダムにご紹介しています。 今日は天神の博多大丸・パサージュ広場の天神一丁目と、多くの観光客が眼にする博多駅の飾り山をご紹介しましょう。
表標題は、平安中期の武将で百足退治でも名を馳せた藤原秀郷こと、俵藤太の勇壮な姿を描いています。 見送りは、牛若丸が剣術を身につけたといわれる鞍馬山です。
「官兵衛」と「サザエさん」は、今年の飾り山の二大標題でしょう。 博多の玄関口である博多駅の飾り山に、最も相応しい標題です。 見送りには九州新幹線も飾られており、これまた博多駅ならではの飾りです。(2) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月6日 (日) |
【飾り山:東流+新天町】 福岡は一日雨。 飾り山の取材に出かけようかと思っていたのですが、足元が悪いので止めました。 南の方では台風が発生したようで、週の半ば頃に九州方面に接近する恐れがあるとか...。 被害が出ないといいのですが。 今日は、今年の三番山の東流と、天神の繁華街・新天町の飾り山をご紹介します。
東流は舁き山も持っており、今年の追い山(7月15日)では三番目に櫛田入りをします。 舁き山を奉納する7つの流れのうち、飾り山を持つのは、この東流の他には中洲流と千代流です。 こちらも見送りは官兵衛がテーマ。 今年は各飾り山の官兵衛を比較するのもいいかもしれません。 この飾り山は、博多駅から海の方、サンパレス方面の大博通沿いに飾られています。
天神の繁華街・新天町の入口(西鉄天神駅側)に飾られています。 こちらも見送りは「サザエさん」が定番です。 ここは人が集まりやすいところだけあって、山笠期間中、この飾り山の周りにはいくつかの露店が集まります。(3) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月9日 (水) |
【飾り山:中洲流+キャナルシティ博多】 沖縄に大きな影響を及ぼした台風8号は、明日にも九州南部に上陸しそうな気配です。 福岡は昨日に続き、蒸し暑い一日でした。 今日は、歓楽街の中に置かれている四番山の中洲流と、人気のショッピングエリアであるキャナルシティ博多の飾り山をご紹介します。
この飾り山は、中洲でホロ酔い気分になって観ると、ひょっとしたらもっと綺麗に見えるのかもしれませんが(笑)。 台風8号の接近で飾り山を残すか撤去するか、昨日(7月8日)山笠関係者で話し合いが持たれ、安全性を考慮して地元の判断による撤去も選択肢に入れた上で、基本的には残すことになったようです。 この飾り山の写真は昨日撮影したのですが、流の判断でこの山は撤去されることになり、今日、撤去されたとのことです。
今や海外からの旅行客の人気が高いキャナルシティの飾り山、今年は和洋の芸能がテーマです。 表は和風の歌舞伎、見送りはミュージカルを題材にしています。 この飾り山はほぼ屋内に設置されているので、台風による影響の心配は殆どなさそうです。(4) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月10日 (木) |
【飾り山:千代流+福岡ドーム】 今朝ほど鹿児島県の阿久根市付近に上陸した台風8号は、南九州を横断し、昼過ぎには四国沖へ抜けました。 思ったほど勢力が強くなかったので、福岡では大きな影響はありませんでしたが、まだ雨が降っているエリアでは十分ご注意下さい。 今日は、台風8号の影響で泣く泣く撤去してしまった六番山の千代流と、ソフトバンク・ホークスの本拠地、福岡ドームに飾られている十番山をご紹介します。
飾り山の中で最も東に位置する千代流、今年は表標題、見送り標題共に今トレンドの「軍師官兵衛」です。 この飾り山も、台風の影響を考慮して、残念なことに昨日撤去されました。
こちらは最も西、福岡ドームの横で見られる飾り山です。 土地柄、表はホークスを題材にしたもので、唯一現代風の「武将」を描いています。 この飾り山も、安全を考慮して昨日のうちに撤去されました。 (そのせいか? 今日の福岡ドームの試合、ホークスは 5-6 でオリックスに負けました:笑)(5) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月12日 (土) |
【飾り山:川端中央街+博多リバレイン】 博多祇園山笠も後半、博多の街では舁き山が動き出しました。 今日の夕方は、15日の追い山の予行練習的な「追い山ならし」が行われ、15:59に今年の一番山の土居流から順に櫛田入りの後、各流は追い山コースよりやや短いコースで山を舁き、感触を確かめていました。 今日は川端通商店街に飾られている十三番山笠と、その商店街の北側から出てすぐ右側に見える十六番山笠の博多リバレインをご紹介しましょう。
櫛田神社の裏門から通じる川端通商店街の北側に置かれています。 この飾り山の表標題も官兵衛もの、見送り標題はここのところ恒例のドラえもんです。
博多座のすぐ西側の商業施設の通り沿いに置かれている博多リバレインの飾り山です。 今年の表標題は、博多祇園山笠のルーツともいえる、承天寺の開祖・聖一国師が施餓鬼棚に乗って祈祷水をまき、疫病を退治した様子を題材にしています。 見送り標題は、博多リバレインにこの4月にオープンしたアンパンマン・ミュージアムにあやかり、アンパンマンをテーマにしたものです。(6) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月13日 (日) |
【飾り山:上川端通+櫛田神社】 今日の福岡も天気がすぐれません。 明け方には結構な雨が降りました。 山笠関係行事では、今日は「集団山見せ」。 博多(那珂川の東側)エリアでの行事が基本の舁き山が、唯一、那珂川を渡って福岡エリア(天神地区)に舁き山を披露する行事です。 今日は、飾り山をご紹介する最終回。 最後に残った不動の八番山笠・上川端通と、番外の櫛田神社常設の飾り山をご紹介します。
昨日ご紹介した 「川端中央街」の飾り山 と同じアーケードの南側(櫛田神社に近い方)に置かれています。 この飾り山は、不動の「八番山笠」で 15日の追い山では、7つの舁き山に続いて唯一櫛田入りする飾り山です。 昨年の追い山での八番山の様子は、こちら に紹介しています。
他の全ての飾り山は、15日の朝までに姿を消しますが、この櫛田神社境内の飾り山は、年中見ることができます。 昼間見るより、日暮れ以降に照明が入ってから見るほうが綺麗です。 櫛田神社の境内に常設の飾り山の傍にある博多歴史館では、山笠の歴史やエピソードなどを知ることができます。
博多祇園山笠の日程も残り2日。 明日は、各流とも流舁きで最後の調整を行い、15日(火)朝、櫛田神社に舁き山を奉納する追い山に備えます。 追い山を見るための桟敷席が組まれている櫛田神社の境内には、舁き山が周回する清道旗が聳えており、舁き山の奉納を待つばかりです。 最終日の追い山に向けて、博多の街はヒートアップ! 「博多の夏」の到来を前に、今が1年で一番アツイ雰囲気が漂っています。(7) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月20日 (日) |
【博多祇園山笠2014 追い山!】 チョッと遅れましたが、今年の博多祇園山笠のフィナーレを飾る「追い山」を、7月15日(火)に取材に行きました。 今年の追い山は平日だったので、少し早起きしてテレビで見ようと思っていたのですが、山笠に興味を持つ周辺の知人から見に行かないかとの誘いを受けたので、嫌いじゃない(笑)編集部は、取材を決断したものです。
昨年の取材経験を活かし、現地に早く到着するバスに乗るために 02:30 に起床。 昨年は15日が祝日だったので、かなりの人出で賑わいました。 今年は流石に平日なので、バスに乗ってくる人も沿道で見る人も、昨年に比べると少ない感じでした。 これまでの数々の経験(謎)を活かし、今年もそれなり(=自己満足?)の映像にチャレンジしました。 一番山の櫛田入りを待つことにしましょう。
今や博多に「土居」という名の地名は残っていません(「土居町」というバス停はあります)が、総鎮守である櫛田神社一帯の旧十か町で構成する流が土居流です。 4:59 の櫛田入りでは博多祝い唄を丁寧に歌い上げ、立派な奉納を果たしました。 今回の山の標題は、豪華に武装した中国風の出立(いでたち)の舞楽の一つをテーマにし、国土安泰と雅音成就を祈るものとのこと。
二番山は大黒流。 川端のリバレインの北側一帯の十二か町で構成されています。 豊臣秀吉が博多に居たときに箱崎の句会で読んだ歌にちなみ、永代繁栄ををテーマにしたもの。 疾走する追い山に、勢い水が容赦なく降り注いでいます。
今年の舁き山の中で、最も豪華な東流。 中国の神話に登場する天の四方の方角を司る霊獣、青竜(東)・朱雀(南)・白虎(西)・玄武(北)を舁き山に配置し、観る人が楽しめることを念頭においたとのこと。 表の青竜が象徴的です。
西日本一の歓楽街である中洲エリアの舁き山で、飾り山 も流麗。 酒を好む中国の伝説上の動物である猩々(しょうじょう)をテーマにして、中洲の街の発展を願って奉納したもの。 人形師の溝口堂英さんの山笠デビュー作とのことです。
今年の西流は、皆さんご存知、その勇気と清々しさを持つ牛若丸をテーマにした舁き山。 街を疾走する姿は表(前方)が上がっており、走りが絶好調な様子。
六番山は流の中でも参加者が多く、東流と並んでスピードに定評がある千代流。 徳川家康に詰め寄る名将・真田幸村の真紅の出で立ちを勇ましく描いています。
全コース(約5km)を走る最後の舁き山、今年は昨年一番山を努めた恵比寿流です。 山の御神体は、博多総鎮守・櫛田神社の御祭神である「大幡主命(おおはたぬしのみこと)」をテーマにしたもので、まさに櫛田神社奉納に相応しい舁き山です。
14の飾り山の中で、唯一「櫛田入り」をして奉納する 上川端通 の絢爛豪華な山。 山笠が舁き山と飾り山に別れた後、飾り山が櫛田入りに「復活」したのが 1964(昭和39)年。 今年は復活50周年を記念して、例年に加えて見送りの「花咲爺」が、櫛田神社の境内と、東長寺前で花吹雪を披露しました。
8つの山が東長寺の住職に挨拶をして、奉納を済ませました。 舁き山のいくつかは廻り止めを目指して、博多の街を全力で走っています。 時間があったら廻り止めに行きたかったのですが、平日のこの日、この後はいつものように出勤なので、そのまま祇園の地下鉄の駅に潜って帰途につきました。 昼間に博多駅に行く用があったので 飾り山十一番山笠・博多駅商店連合会 の山小屋を見ると、中身はすっかり撤去されており、山小屋の解体をしているところでした。 博多祇園山笠は 15日の追い山が終わると、飾り山・舁き山ともにアッという間に解体してしまいます。 博多の「竹を割ったような」気質を象徴しているようです。 その後、何日かはハッキリしない天気が続きましたが、この週末は夏空が広がっています。 毎年のことですが、追い山が終わると博多の街は本格的な夏の訪れです。(8) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 7月21日 (月・祝) 海の日 |
【博多祇園山笠2014 総括】 7月15日(火)朝の追い山が終わり、今年の博多祇園山笠もで無事に全日程を終えました。 今年は追い山の日が平日だったので総括が遅れましたが、今日は博多祇園山笠を振り返ってみましょう。
タイム的には、充実した舁き山だったにも関わらず、東流は今年も櫛田入り・全コース共、安定した記録を出しています。 例年、時間を計測するのですが、早かったから表彰されるタイムレースという訳でありません。 これまでの記録に興味がある方は 2012年の追い山のタイム や 2013年の追い山のタイム などをご覧ください。 今年も昨年同様、NHK大河ドラマ「軍師黒田官兵衛」を意識してか、官兵衛をテーマにした標題が多く、三番山笠・東流飾り山の見送り:忠義軍師官兵衛、 六番山笠・千代流の表・見送り:軍師官兵衛、十一番山笠・博多駅商店連合会の表:軍師黒田官兵衛、そして十三番山笠・川端中央街の表:知略軍師官兵衛 などで、それぞれ違った官兵衛の姿が見られました。
人形師それぞれの方が、ご自分なりのイメージで作り上げられた「官兵衛」の姿です。 どれも勇ましい姿で飾り山を盛り上げました。 編集部が年に一度、なぜか燃える(謎)博多祇園山笠2014 は、これにて一件落着。 今日は九州北部でも梅雨明け(したとみられる)宣言が出され、またいつもの暑い日常に戻ります。(9) |