このページでは,美しいレリーフの「特集」です。 バイヨンは,建立を始めた王:ジャヤヴァルマン7世 (1181〜1201年頃) とその後継の王,インドラヴァルマン2世 (1201〜1243年頃),
そしてジャヤヴァルマン8世 (1243〜1295年頃)の中心寺院。
実質的には9〜14世紀に栄えたアンコールにとって,4〜16世紀にかけて今のベトナム中部〜南部を支配していたチャンパは隣国であり,同時に敵国でもありました。
アンコールとチャンパは歴史上何度となく戦いを交えています。 バイヨンの建立直前の時期では,1177年にチャンパの大軍によって南部のトンレサップ湖から攻め込まれ,王都を占領されました。
この後1181年に王位についた人こそ,バイヨンを含むアンコール・トムを建立したジャヤヴァルマン7世で,彼は1197年に挙兵してチャンパを攻め,この占領からアンコールを回復したのです。
バイヨンのレリーフには,これらのチャンパとの戦いの様子などが刻まれていますが,同じレリーフでも宗教や政治の影響が強い アンコールワットのもの と異なり,
貴族の日常や庶民の生活が描かれています。 宗教や歴史の背景などを知らなくても,素直に楽しめるレリーフの一部をお楽しみ下さい。