胃腸の強さは人それぞれだけど,日本を出た先で食事や水にあたって腹を下すことは,一般に珍しいことではない。 2002年1月の日記 に残っているとおり,
筆者もバンコク滞在中には何度か「見舞われ」た。
前項のとおり「無菌社会」で体調が悪くなると,薬に頼ったり医者にかかったりしがちだが,生活環境が変化した時にきたす体調の変化は,身体が環境に馴染もうとしているプロセスと捉えることもできる。
特に海外の地に到着直後の数日間は,一般的に体調の変化〜特に腹下し〜を起こすことが多いが,このような場合は無理に止めようと慌てて下痢止めなどの薬を飲まない方がよい。 脱水症状が起きないよう水分を摂ることは当然だが,海外では水道水は避けて,市販のミネラルウォーターを強く奨める。
ただヨーロッパ方面では,市販のミネラルウォーターにガス入り(=炭酸水)のものが売られているので,買う時には注意が必要。 大抵は同じボトル・同じラベルで,ガス入りとガス無し(=俗に言う「普通」の水)で色違いのデザインであることが多い。
それでは自分の身体をチェックしてみよう。 まずは食欲があるか否か。 食欲があれば,暫くは消化がいいものを食べてみる。 タイだったら「クルアイ」(バナナ)や,コメの粉で作った細い麺を鶏ガラスープのラーメンのようにした「センミー・ナム」,
やはり鶏ガラスープで味付けしたお粥:「カオトム・ガイ」などがいいだろう。 「センミー・ナム」も「カオトム・ガイ」も優しい味で辛いものではない。
次に汗をかくか,オシッコが出るか。 同じ腹下しでも汗をかいてオシッコが出ていれば,腸から体内に水分が吸収されているので,あまり心配ないだろう。 食事や水の変化で腸内の細菌バランスが変わったようなものだから,数日で「慣れる」ことが多い。
しかし,食欲が無く汗もオシッコも出なければ,マトモじゃない。 現地の風土病(マラリア,デング熱,コレラなど)に罹っていることも考えられるので,医者にかかることを奨める。 海外の大都市や,タイの場合はバンコクやチェンマイなどであれば,英語や日本語が通じる病院がある。
日本を出る時に海外旅行傷害保険に入っていれば,保険証書と一緒に貰える小冊子に保険が使える病院がリストしてあるので,そこに行くといい。 バンコクの場合は,日本人向けに日本語が話せる医者や通訳を準備している病院もあるほど。
海外では体調を崩しがちなので無理なスケジュールは慎むとともに,自分の身体は自分でチェックし,管理することが重要だ。 ここに挙げたのは健康管理の一例であり,体調不良時にどんな薬を飲むか,医者にかかるか否かなどは最終的に自分自身で決めるべきである。