February 2004

2004年2月1日(日)
タイでは日常的に見かける放し飼いの「飼い鶏」

 さて,タイ全土に広まりつつある鳥インフルエンザ,首都のバンコクでも鶏への感染が確認されました。 1月末現在,タイ全土の76の都県中, 30以上の都県で鳥インフルエンザの感染が確認され,政府は感染レベルにより,赤または黄色のランクをつけて警戒に当たっています。

 これにより,鳥インフルエンザが確認された地点の周辺 5km 以内の全ての家禽類は,殺処分されることになっていますが,養鶏や闘鶏に関わる業界では, 行政側の一方的な処分措置に対する不満も拡がっているようです。 また,殺処分対象の養鶏業者の中には,一定以上の深さに埋めるなどの定められた方法をとらずに, 鶏の死骸を道路に放置したり,運河に流すなど,鳥インフルエンザの拡大に繋がりかねない行動に出るものもあり,行政当局は頭を痛めているようです。

 人間への影響は,タイ国内でこれまでに感染者3人(うち2人は既に死亡),疑似感染者は14人(うち7人は死亡)と報道されていますが,いずれも養鶏など鶏を直接扱う業種に携わっている人, またはその家族とのことです。 鶏への感染が確認されたバンコクでは,確かに鶏の消費は激減しているようで,鳥料理関係のレストランや屋台では,魚や豚にメニューを変更するところも相次いでいます。  スーパーなどでは鶏肉が売られてはいますが,安全を保証する行政当局からの保証文書や,安全性を強調する広告などを掲示してはいるものの,売れ行きはサッパリのようです。  周りのタイ人に聞いても,暫く鶏肉は食べないと異口同音に言っています。 また数日前からは鳥インフルエンザの感染を防ぐ目的で,都内のドゥシット動物園が閉園になりました。 再開の見通しは不明とのこと。

 地元の市場など生きた鶏がいるところに近づかない,外出から帰ってきての手洗い・うがいの励行など,基本的な予防措置を心がけている限り, 普通の生活の範囲内では特に恐れおののく事はないようです。 鶏肉も十分調理したものなら,感染の恐れはないとされていますが,イメージ的な問題もあり, タイ国内でも当面,鶏肉の消費の低迷は避けられないでしょう。 以上,鳥インフルエンザの続報でした。

 今日はドイツ・ベルリン訪問記を一気に上げて完結しました。 ご高覧下さい。


2004年2月3日(火)


タイ北部,チェンライの街にあるワット・プラシン

 バンコクではもう冬のピークは過ぎたようで,朝も「お〜冷えるなぁ」ということは殆ど無くなりました。 これから5月頃の雨季入りに向けて, 一気に夏へと季節が変わっていくのです。 あ〜ぁ,またあの暑さかぁ... でも,バンコクに住んでる以上はシカタないことですな。

 さて,実はタイでは昨年11月頃から鶏がバタバタと死ぬ現象が始まっていました。 当時タイ政府は「鳥コレラによるものであり,人間への感染の恐れはない」と発表していました。  1月下旬の鳥インフルエンザの「公式発表」後,最近になって,昨年来のタイ政府の鳥インフルエンザ隠匿疑惑が取り沙汰されています。

 ところでタイの日本人御用達,日系メーカー牛乳のタイ側メーカーでもあるタイ最大手の某財閥系食品会社,鶏肉の取り扱いはタイ国内外とも莫大な量らしいです。  街には「ナントカ」ーズ・グリルという,まぁチキン料理も出すちょっとオシャレなファスト・フードレストランも展開しています。  で,タイの複数の某閣僚(現商務相と農相補佐らしい)の奥様のご実家がこちら財閥とのことです。

 これ以降のストーリーは煮るなり,焼くなり,読者の皆さんそれぞれで料理して下さい。 しっかり調理しないと感染の恐れがありますよ(爆)!


2004年2月7日(土)


2月から4バーツになった赤バス
編集部が早速入手した「4バーツ」チケット

 今朝はまたまた6時頃から,1時間ほど雨が降りました。 う〜ん,異常気象かなぁ?

 ちょっとばかりアップが遅れましたが,バンコクのバスのうち今まで料金が一律 3.5バーツだった赤バスが,この2月から4バーツに値上げになりました。

 バスを運行しているバンコク大量輸送公社 (BMTA:Bangkok Mass Transit Authority) は恒常的な赤字を抱えていますが,今回の値上げはこの赤字の削減〜といっても, 焼け石に水でしょうけど〜が目的のようです。

 一般市民にとって,この値上げは結構痛手なのでは? と思ってましたが,最近の世論調査の結果によると「50サタン硬貨を扱わなくていいので楽」とか, 「この程度の値上げは許容範囲」と値上げに好意的な意見が大勢を占めた模様。 とはいえ,運転が荒いとか,車内が汚い,椅子が破れている...etc etc など, サービスの低レベル化を嫌う市民も多く,今回の値上げで質の向上を期待する声が多く聞かれたのも事実だったようです。

 ということで,「バンコクのバスを乗りこなす」のページを改訂,併せて「タイの電気事情」のページをアップしました。


2004年2月11日(水)


タイの3チャンネルで人気のドラマ「クーカム」
 日本では建国記念日で祝日でしたね。 我が家で見る衛星経由の NHK のテレビは祝日モード,こちらタイはいつも通りの平日なので, ちょっと噛み合わない感じです。

 さて,今日は職場の事務所のタイ人の女性スタッフ(事実上の経理課長)のご機嫌が何だか麗しい。 「オハヨ〜ゴザイマス,オゲンキデスカァ?」なんて, カタコトの日本語しゃべって,朝からウキウキしてるんです。 もうかれこれ2年以上も一緒に仕事してるんで,流暢とはいえませんが, 「トーゼンデス!」とか「マタ,アシタァ」など,いくつかカタコトの日本語を操っています。 まぁ,私のタイ語よりは遙かに上手に話している事でしょう。

 昼食の時,いつもの 20バーツの屋台飯を食べながら尋ねてみました。 以下,「編」:おもしろタイリポート編集部,「ス」:タイ人スタッフ

編:「今日はご機嫌いいじゃない,何かいい事でもあったの?」
ス:「昨日のテレビがスゴック面白かったの。」
編:「テレビって,何?」
ス:「コボリ!」

 はっはぁ〜,アレですな! タイでは日本人,特に若い(?!)男性は「コボリ」と呼ばれることがあります。 この「コボリ」とはタイでも人気の小説, 「クーカム」(タイの女性作家トムヤンティ原作)に登場する主人公のこと。 この物語,第二次大戦中に進駐した日本軍将校, 小堀海軍大尉とタイの女性アンスマリンの悲恋を描いたフィクションです。 タイや日本の人間性や歴史背景などの表現が高く評価されたこの作品は, タイでも高い人気を得ており,これまでに何度も映画化やテレビドラマ化されました。 その「クーカム」が,今まさに3チャンネルで放送(毎週月,火曜日の夜8:20頃〜)されているのです。  この「クーカム」,日本では「メナムの残照」と題して翻訳版(西野順治郎氏訳)も出ているそうです。

 で,ご機嫌なタイ人スタッフは昨日の放送を見て,場面に出てきた日本語が理解できたと大喜びだったというわけですよ。 へぇ〜,凄いね。 まぁ, 我々が日本に帰って,タイを取り上げた特集番組で出てくるタイ語が部分的に判って『今の字幕の訳はオカシィ〜ぞぉ!』という感じでしょうね。

 タイではこの「クーカム」が親日感情の一助になっていることは,恐らく間違いない事実でしょう。 タイの人の眼から見た日本がどのように描かれているのか, 「メナムの残照」を一度読んでみては如何でしょうか?


2004年2月14日(土)


イラク戦争当時有名
だった「例」のカード
 世間ではヴァレンタインデーらしいですね。 バンコクでもドイツからシェフを招いて, 世界一大きなハート形のチョコレート(高さ2m以上?)をどこかのホテルに飾っているそうな。

 久しぶりにメインのページが快調です。 今日も「不屈の白髪将官」と題して,バンコクにお住まいの現役戦争カメラマン, 橋田信介さんを紹介しました。 無機質な話題が多いこのサイトでは「異例」の扱いですね(笑)。 右のフセイン・トランプは, 2003年3月にアメリカをはじめとする連合軍がイラクに進撃した際に準備された指名手配トランプ。 日本でも報道されたので, 読者の皆さんの中には覚えている方もいらっしゃるのでは? これ,橋田さんのお宅にお邪魔した際に見せて戴きました。

 実は橋田さんを紹介するのは,彼から「今度,本出したんで,どっかで宣伝しといてよ。」と頼まれたからなのです。 まぁ,訪問者が数えるほどのこのサイトじゃあんまり効果無いでしょうけど,編集部が有名な方とコネクションがある(笑)という「自己満足」も含めて, ここで紹介してみました。 そうそう,トップページにも上げている橋田さんの新作,是非ともお手にとってお読み下さい。


2004年2月21日(土)



シンハビール70周年記念ボトル
 今年の2月は張り切って書き込んでますねぇ,この日記。 1週間空きましたが,今のところ土曜日は「皆勤賞」です。

 先日,某所でタイ地元のシンハビールの70周年記念ボトルを見つけたので,早速入手してきました。 昨年半ば頃から出回っているという噂もあったのですが, 現物にお目にかかったのはこれが初めて。 といっても1933年に登場しているので本来なら昨年出ている筈なのですが,今頃になってやっとお目にかかれるというのも, 何ともタイティストを醸し出してますねぇ(笑)。

 まだ飲んでいないので味のほどは未確認ですが,一般のシンハビールのアルコール度数が 6.0% に対して,これは 5.3% とやや低めに設定されています。 これで, 少しばかり「切れ」が甘くなるのかなぁ?などと勝手に推測してますが...。

 最近こそライト指向でビールのアルコール度数が下がり気味ですが,タイのビールのアルコール度数は 6.0% 程度というのが普通です。 タイでは未だに冷蔵庫が普及していないところがあるので, 田舎の方に行けばビールには氷を入れて飲む習慣が残っています。 郊外のレストランなどでビールを飲む時には「氷を入れますか?(アオナムケン?)」と聞かれることもあるのです。  そこで,ビールのアルコール度数を少しばかり上げておけば,氷が溶けて程良い冷え具合になった時に丁度いい味に仕上がるという塩梅というわけ。 かつてシンガポールに行った時に, 彼地の Tiger Beer に氷を入れて飲んだ覚えがあります。 この周辺では氷入りビールは,トラディショナルな「文化」のようです。

 昨夜は蚊に悩まされて,よく眠れませんでした。 こっちの蚊取り線香はあんまり効かないのですが,気休めにはなるようです。 そういえばインドネシアではデング熱が流行しているとか, ご注意下さい。


2004年2月28日(土)



バンコクの最新式「水飲み場」

 2月ももう終わり,早いですねぇ。 年度末の3か月を「行く」「逃げる」「去る」とはよく言ったものです。 どうやら私たちのバンコクでの生活も, 残りが少なくなってきた模様。 はてさて,日本に帰ったらこのページをどうしようかなぁ? なんて思っていますが,何か妙案は無いでしょうかねぇ...。

 そういえば,このページのヘビーリーダーのお一人から「タイの拳銃事情はどうなってるの?」という宿題を戴きました。 編集部では「その筋」への突撃取材(〜おぉ,怖!)を含めて, 少し震えながら方針を考えていますので暫くお待ち下さい。

 先日,某所で右のような「水飲み場」を発見しました。 まだ完成して間もないようで試しに使って(飲んでませんが,笑)みたところ,シッカリ水も出ています。 と,ここで問題です。

  1. この水飲み場の水は飲めるんだろうか?
  2. この水飲み場の「有効期限」はいつまでなんだろう?
 バンコクの水道水は,こちらに紹介しているとおり,基本的には飲めないってことです。 これまでこちらで聞いた話では, 浄水場を出る時の水質はそのまま飲んでも全く問題ないほどだそうですが,各家庭に届くまでの配水システムに問題があって,老朽化して錆びていたり, 途中に穴が空いて汚水と混じったりすることで,蛇口での水質が下がるらしい。

 また,これまであちこちで旧式の「水飲み場」を見ましたが,どこ一つとっても水が出ることは無く,中にはゴミ集積場と化しているところもありました。

 ということで,この最新式「水飲み場」の今後の動向が注目されます。 今日は,タイ鉄道入門を,なんと!2ページにわたってアップしました。  アクセスカウンタも 4000 ヒットを間近に控え,緊張の (?) 毎日です。