Report 45a

再び? ビール大研究
〜周辺諸国編〜
 ビールが飲めるのは,何もタイだけではありません。 ここではタイ滞在中に訪れた以下の国のビールをご紹介しましょう。 このページでご紹介するビールは,特別研究所に持ち込むことができなかったので, 残念ながら前のページのような分析までには至っていません。 僅かに残る味に関するコメントは,編集部の主観的なものなのでご承知おき下さい。 当時の購入価格は,残念ながら既に記憶の彼方に薄れてしまいました。

ラオスミャンマーカンボディア
シンガポールインドネシアオーストラリア
ドイツ台湾(中華民国)中華人民共和国(大陸)
 

人口:540.3万人(01)
観光客:20万人(98)
観光収入:8000万ドル(98)
宗教:仏教(95%)
旧宗主国:フランス

【ラオス】
 タイの北隣の小国,1人あたりの国民総所得は 290ドル (2000) と日本 (35,620ドル:2000) の 1% にも満たない,決して裕福とはいえないこの国ですが,ビールは自前で造っていますよ。  ラオスの人達に言わせると,数少ない "Made in Laos" のひとつで,彼らの誇りにもなっているようです。 ラオスはかつてフランスが支配していたので, 編集部では「ビールの醸造技術はタイから伝わったのでは?」などと推測しているのですが…。

ラオスで飲んだビール (2003年12月)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
ビア・ラオ
Beer Lao
ビン:650
缶:330
5.0
 本サイトのラオス旅行記でも紹介している,ラオスを代表するビール。 味は可もなく不可もなく「ふつ〜」の感じだったかな。

ラオスのビール (2006年3月)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
ビア・ラオ
ダーク
Beer Lao
DARK
ビン:3305.0
 2006年3月17日の日記 で紹介したのはこのビールの裏ラベル。 2005年10月頃から登場した模様。 DARK とは黒ビールを連想するが,それほど重くない印象。

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人口:4836.4万人(01)
観光客:20万人(98)
観光収入:3500万ドル(98)
宗教:仏教(90%)
旧宗主国:イギリス

【ミャンマー】
 タイの西側に位置する国。 現在は軍事政権が社会主義体制を敷いており,国外との関係を制限しているため内情が判りにくい国ですが,2005年2月現在,日本からの渡航は可能です。 編集部は2003年1月に首都ヤンゴンの街を訪れましたが,夜中の一人歩きも問題ありませんでした。 ここは,かつて東南アジア一の繁栄を誇った街とも言われています。

 過去にイギリスが支配していただけあって,タイ周辺諸国の中ではビールの味が最も充実していると感じました。 まぁ,ビールの味の好き嫌いは人それぞれでしょうけど,ミャンマーのビールはコクがある「濃い」印象です。  

ミャンマーで飲んだビール (2003年1月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
ミャンマー
Myanmar
缶:3305.0
 2003年1月の日記で紹介した,ミャンマーを代表するビール。
マンダレー
Mandaley
ビン:6405.0
 ミャンマービールの「向こうを張る」ビール。 これはビンしか無い模様。

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人口:1344.1万人(01)
観光客:29万人(98)
観光収入:1.7億ドル(98)
宗教:仏教
旧宗主国:フランス

【カンボディア】
 世界遺産のアンコールワットに多くの観光客が惹かれるこの国。 観光客を繋ぎ止めるためにも,ビールは貴重な資源(?)です。 現在カンボディアのビールは,首都のプノンペンの南西 250km に位置する唯一の港町, Sihanoukville にある Cambrew 社でのみ生産されています。

カンボディアで飲んだビール (2002年10月及び2003年10月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
アンコール
Angkor
缶:3205.0
 カンボディアを代表するビール。 この写真を撮影した2002年10月時点では,リングプルが外れるタイプのものだった。
クラン
Klang
(写真左)
缶:3207.0
 2003年10月に新たに発見したビール。 「象をも倒す(?!)」如き,7.0%のアルコール度数は圧巻!
バイヨン
Bayon
(写真右)
缶:3205.0
 上のKlangと共に2003年10月に新たに発見。 Bayonはアンコール遺跡群にある重要な寺院の一つ。

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人口:410.8万人(01)
観光客:563万人(98)
観光収入:52億ドル(98)
宗教:仏教,イスラム教,キリスト教,ヒンドゥー教など
旧宗主国:イギリス

【シンガポール】
 東南アジアで,タイに次いで観光客が多いシンガポール。 かつてイギリスの植民地だけあって,ビール環境も充実しています。 この国の Tiger ビールは,今や東南アジアを代表する銘柄にまで成長しています。

シンガポールで飲んだビール (2002年4月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
ABC
Extra Stout
(写真左)
缶:3308.0?
 タイガー・ビールと同じメーカーが醸造する,シンガポール産の黒ビール。
タイガー
Tiger
(写真中央)
缶:3305.0
 シンガポールを代表するビール。 周辺諸国にも輸出または現地ライセンス生産されている。
カールスバーグ
Special Brew
(写真右)
缶:3309.0
 デンマーク原産,世界中に出回っている。 輸入品だったか,現地生産品かは不明。

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人口:2億2484万人(01)
観光客:461万人(98)
観光収入:40億ドル(98)
宗教:イスラム教(87%)
旧宗主国:オランダ

【インドネシア】
 あの Heineken があるオランダが,かつての植民地であったにもかかわらず,主な宗教がイスラム教(=酒が飲めない)であるからか,この国のビールには「美味さ」を感じませんでした。  宗教が文化に影響を及ぼすことを,身をもって実感した一例です。

インドネシアで飲んだビール (2003年1月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
ビンタン
Bintang
缶:3305.0
 2003年1月の日記で紹介した,インドネシアを代表するビール。 他の国のビールに比べると,味がイマイチだったのを何故かハッキリ覚えている。

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人口:1933.8万人(01)
観光客:417万人(98)
観光収入:73億ドル(98)
宗教:キリスト教(71%)
旧宗主国:イギリス

【オーストラリア】
 ここもかつてはイギリスの植民地だったことから,その影響を大きく受けています。 全般的には Bitter 系が好まれているようです。 クィーンズランド州の XXXX は,最初にオーストラリアに行った 1988年以来, 久しぶりにお目にかかりました。

オーストラリアで飲んだビール (2002年4月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
フォスター
Foster's Lager
(写真左)
缶:3754.9
 オーストラリア南東部,ヴィクトリア州にあるCarlton社が醸造するオーストラリアを代表するビール。
エミュ
EMU Bitter
(写真中央)
缶:3754.6
 西オーストラリア州の地ビール。 日本人には隠れた人気?
フォーエックス
XXXX bitter
(写真右)
缶:3754.8
 オーストラリア東部,クィーンズランド州産のビール。 1988年に初めてオーストラリアに旅して以来の「つきあい」。

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人口:8200.7万人(01)
観光客:1651万人(98)
観光収入:164億ドル(98)
宗教:キリスト教

【ドイツ】
 ビール王国ドイツのビールを1種類しか紹介できないのはさみしいのですが,手元には残念ながらこの KaDeWe ビールのデータしかありません。 このページはタイ及び周辺諸国(アジア)のビールをご紹介したかったので, このドイツは「オブザーバー」というか,ご愛敬っちゅうことでご容赦下さい(笑)。

ドイツで飲んだビール (2002年7月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
カーデーヴェー
KaDeWe
ビン:??5.0
 ドイツ・ベルリンのKaDeWeで飲んだプレミアム・ピルスナー・ビール。

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人口:2240.6万人(01)
観光客:260万人(?)
観光収入:35億ドル(00)
主な宗教:道教,仏教など

【台湾(中華民国)】
 台湾(中華民国)からも「一人」しか紹介できなくてスミマセン。 この国のビールの歴史は日本人が設立したビール会社に始まるとのこと。 そのせいか,日本人には飲みやすい感じでした。

台湾で飲んだビール (2001年3月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
台 湾
Taiwan Beer
缶:3504.5
 台湾を代表するビール。 台北の空港で乗り換えの時にチョット一杯。

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人口:13億人(01)
観光客:2507万人(98)
観光収入:126億ドル(98)
宗教:仏教,道教,イスラム教,キリスト教など

【中華人民共和国(大陸)】
 流石に広大な国土だけあって,各地にビール醸造所が点在しています。 日本でいえば焼酎か日本酒のような感じで,東南アジア諸国では動物の名前が多い銘柄も,中国では産地が銘柄になる例が多いようです。  また,国が広すぎるからか国民性なのか判りませんが,ビンや缶の内容量がマチマチです。 まぁ必ずしも統一する必要性というのも特にはありませんが…。

中華人民共和国で飲んだビール (2003年8月現在)
銘 柄内 容 量 [ml]アルコール
度 数 [%]
青 島
Tsing Tao
(山東省・青島)
ビン:640
缶:335
3.1
 日本でもお馴染み,中華人民共和国を代表するビール。 このビールの会社は,ドイツとイギリスの合弁企業として出発したとのこと。
山労 山
Lao Shan
(山東省・青島)
缶:3503.1
 青島ビールと同じメーカーが醸造する,ちょっと個性的な味がするビール。 西安→洛陽の列車内で購入。
強 力
Chang Lee
(広東省)
缶:345不明
 どう見ても,某ハイNケンの中国版としか思えないミステリアスなビール。 洛陽→西安の列車内で入手した。
洛陽宮
Luo Yang Gong
(河南省・洛陽)
ビン:620不明
 貴族が乗る馬車をデザインしたラベルは味がある。 洛陽のホテルで楽しんだ。
宝 鶏
Bao Ji
(陜西省・宝鶏)
ビン:6303.3以上
 西安のレストランで入手。 ラベルにコッソリ鶏が居るのは,いとをかし。
漢 斯
Hans Dry
(陜西省・西安)
ビン:6304.5以上
 西安の地ビール。 ラベル上の方の絵は西安のシンボルだが,鐘楼か,あるいは城壁の門か?

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 いくつかの国でビールを楽しみましたが,その国の気候,文化,歴史,宗教,国民性などが,地元のビールの味に微妙な影響を及ぼしていることを実感しました。  各国の左の欄に人口,観光客数,観光収入,宗教や旧宗主国などのデータを載せたので,皆さんそれぞれの「解釈」の参考にして下さい。

 最後にひとつ,編集部で確認したことは,どの国にせよ地元の料理には地元のビールが一番合うということでした。 いろんな国で,いろんなビールをお楽しみ下さい。(2005年2月記)